マフィア180億ドル搾取 プルタミナが内部調査 ペトラル不正

 石油商社ペトラルの汚職問題で、2012〜14年の輸入取引で第三者機関が180億ドルを搾取していたことが、監査結果で明らかになった。スディルマン・エネルギー鉱物資源相は13日、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領に監査結果資料を提出。国営石油ガス・プルタミナが関与者の内部調査に着手したほか、汚職撲滅委員会(KPK)など捜査機関に告発し、「石油マフィア」追及に向けた準備を進めている。 

 中東から帰国したスディルマン・エネルギー鉱物資源相は大統領宮殿(イスタナ)でジョコウィ大統領と会談後、「(石油マフィアは)うわさではない」と強調。監査結果を受け、プルタミナが内部調査を進めるほか、KPKなど捜査機関への不正告発を検討していると述べた。
 同相は、大統領が昨年の政権発足前から原油価格を操作するマフィアの追及に言明していることを挙げ、解散するペトラルの業務を引き継ぐプルタミナ内部での不正再発防止とともに、関与者に法的措置を講じる方針に変わりはないと強調した。
 石油マフィアの存在は消費者の石油購入価格を押し上げていた一因とされてきた。今月公表されたオーストラリアのコーダメンサ社の監査結果で、プルタミナと国営石油公社(NOC)の間で、非公表の仲介業者が石油価格の不正操作や入札談合を行なっていたことが明らかになっている。
 同相は入札談合を立証するメールなど物証はすでにそろっていると説明。第三者機関と直接連絡を取り合っていた仲介業者も3、4社を特定しており、プルタミナは内部調査で仲介業者に情報を漏えいした疑いのある社員を突き止める方針だ。
 KPKのアドナン・パンドゥ・プラジャ副委員長は「エネルギー鉱物資源省が汚職の監査結果資料を(KPKに)提出すればすぐに捜査を始める」と説明。会計検査院(BPK)も調査準備が整っていると述べ、各機関が不正究明に乗り出す姿勢を示している。カラ副大統領も石油マフィアを追及する方針だ。
 日刊紙コランテンポはペトラル問題を連日1面トップで報道。ペトラル以外にもプルタミナの事業には、多くの使途不明金があることを指摘している。リザル・ラムリ海事調整相はこれまで燃料貯蔵タンクに24億ドル規模の投資をしたと述べているが、プルタミナは14億ドルだったと、双方の言い分に食い違いがあることを指摘。
 また、ユドヨノ政権のダフラン・イスカン前国営企業相時に、プルタミナと国営ガスPGN、ラクヤット・インドネシア銀行が共同で320億ルピアを電気自動車に投資したがとん挫し、資金の行方が不明となっていることや、LNGガスを扱うタンカーのリース契約更新時に不明瞭な資金繰りがあったことなどを挙げている。(佐藤拓也)

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