首都圏ごみ戦争激化 中間処理場4カ所建設 アホック知事
ジャカルタ特別州内で排出されるごみの最終処分場をめぐり、特別州と西ジャワ州ブカシ市、ボゴール県との対立が激化している。アホック知事は9日、州内4カ所に中間処理場を建設して対処する計画を発表、ジャカルタのごみが集まるブカシ市バンタルグバン最終処分場に頼る現体制からの脱却を目指す方針を示した。
アホック知事によると、中間処理場は西ジャカルタのスマナン、北ジャカルタのスンタルとチリンチン、マルンダの4カ所に建設する。さらに市場を運営する州営パサール・ジャヤが、それぞれの市場でごみ管理施設を運営できるようにする。州内でごみを管理できるようになれば、主に輸送コストの軽減が見込めるという。
中間処理施設は2011年に建設計画が持ち上がったがとん挫していた。州公衆衛生局によると、州営建設ジャックプロが16年から北ジャカルタのチリンチンとスンタルの2カ所で建設を開始する。それぞれ1000〜1500トンのごみを処理できる施設を設け、ブカシ市バンタルグバン最終処分場への運搬量を減らす。
特別州はバンタルグバン最終処理場を運営しているゴダン・トゥア・ジャヤ(GTJ)に対し、ごみ1トンあたり約11万4千ルピアを支払っている。アホック知事は同社と結んだ2023年までの契約を破棄し、同州が運営・管理すべきだとの考えを示している。
また特別州内では3R(削減、再使用、リサイクル)活動や、家庭などからリサイクルできるごみを集め、廃品回収業者に売って還元し、その代金を分配する「ごみ銀行」を234カ所に設置しているが、公衆衛生局のイスワナ局長は「家庭内でのごみ排出の削減にはつながっているが、ごみ問題の解決には程遠い量だ」と話した。
ブカシ市は10月中旬以降、午後9時〜午前5時以外のごみ搬入を禁止。さらにボゴール県チルンシの住民らは、バンタルグバン最終処理場に向かうごみ収集車がラヤ・チルンシ通りを通らないよう阻止するなど抗議運動を展開。アホック知事の要請を受け、警視庁は収集車への襲撃を防ぐため監視を強化している。(毛利春香)