バンドン上空ゆったり ロープウエー今月着工 北部に0.8キロ、将来40キロに
西ジャワ州バンドン市で今月上旬、上空をゴンドラで移動するロープウエー「バンドン・スカイブリッジ」が着工される。まず、市北部の行楽地ダゴ〜チハンプラスを結ぶ約800メートルのルートを建設する。周辺は週末にジャカルタ特別州などから観光客が押し寄せ、渋滞が頻発する地域。将来は市を横断する約40キロのルートへの拡張も視野に入れており、渋滞緩和とさらなる観光客誘致を狙っている。
バンドンのリドワン・カミル市長によると、ダゴとチハンプラスに専用駅を設け、森林保全区のババカン・シリワンギ上空を約3分で結ぶロープウエーを建設する。
10人乗りのゴンドラを数十台運行する。50メートル間隔で客を乗せ、輸送能力は1時間当たり最大約3千人。街中では高さ25〜30メートル、山岳などを越えるポイントは同60メートルにワイヤーを設置する。リドワン市長は「利用料金はできるだけ安くしたい」と観光客誘致に意欲的だ。
ダゴ〜チハンプラスのルートは試験的に導入され、ロープウエーの世界的メーカーである豪ドッペルマイヤー・ケーブル・カーと、インドネシアのインフラ建設企業アディタヤ・ドハルマプトラ・プルサダが共同で請け負う。建設費は約123億ルピア。2016年末の完成を目指す。
同ルートの運行が円滑に進めば、将来は既存のバンドン駅にロープウエーを乗り入れ、スカジャディやパリス・ヴァン・ジャワ・モール、チチェンド、プルンビンなどを結ぶ約40キロまで延長する計画。市は拡張ルートの設計・建設を請け負う民間企業を公募している。
バンドン市庁舎では実際に導入される予定のゴンドラが12月末まで展示されており、見物に来る地元住民らでにぎわっている。(毛利春香)