養母「殺していない」 デンパサール地裁 女児殺害事件初公判
バリ州サヌールで今年6月、女児アンジェリンちゃん(当時7歳)の遺体が見つかった事件で、殺人罪で起訴された養母のマルグリット・メガウェ被告(60)と家事手伝いのアグスティヌス・タイ・ハンダマイ被告(25)の初公判が22日、デンパサール地裁(エドワード・ハリス・シナガ裁判長)で行われた。マルグリット被告は「アンジェリンが生まれてからこれまで愛情を持って育ててきた。殺していない」と起訴内容を否認した。
起訴状によると、マルグリット被告はことし5月16日午後0時半ごろ、自宅でアグスティヌス被告と共謀し、アンジェリンちゃんの頭部を拳で3回殴って殺害した。アグスティヌス被告は殺害後、マルグリット被告の命令でアンジェリンちゃんに性的いたずらをした。
アグスティヌス被告は同月24日、田舎に帰ることやバリに二度と戻らないといった条件で、マルグリット被告から口止め料として2億ルピアを受け取る予定だった。検察側は、マルグリット被告は計画的殺人と主張している。
アンジェリンちゃんは2007年5月19日に生まれ、3日後にマルグリット被告が養子として預かった。マルグリット被告はこれまで、アンジェリンちゃんの出生登録をしていなかったとして、児童保護法違反でも起訴されている。
マルグリット被告のホトマ・シトンプル弁護士は、被告は事件に関与せず主犯ではないと主張。弁護側によると6月、警察が3回にわたってアグスティヌス被告から事情聴取した際、供述の食い違いがあることから、アグスティヌス被告の供述は信頼性が低いとしている。また、アグスティヌス被告のホットマン・パリス弁護士は「主犯はマルグリット被告だ」と話し、アグスティヌス被告は殺していないと主張。6月に行われた警察の事情聴取の際には、アグス被告自身が主犯だと言わせるよう、マルグリット被告が吹き込んだという。
次回公判は27日に行われる。(山本康行)