放水路東側だけ完工 チリウン川洪水対策 ジャカルタ

 首都を南北に縦断するチリウン川と東放水路を連結し、日本企業が建設にあたっている地下放水路(約1.3キロ)の東側部分がこのほど完工した。西側部分は縦穴掘削予定地の土地収用が未完で着工に至っておらず、稼働開始は当初予定から約1年遅れの2017年となる見込みだ。
 毎年雨期になると西ジャワ州ボゴールなどで降った雨でチリウン川が増水し、ジャカルタで洪水を引き起こす。地下放水路連結で、チリウン川の水を毎秒60立方メートル東放水路に排水できるため、政府は首都洪水被害軽減の要と位置付ける。
 事業では機動建設工業とヤスダエンジニアリング、イセキ開発工機からなる共同企業体が国営建設ウィジャヤ・カルヤから設計や機材の納入を約16億円で請け負っている。
 地下放水路は東西両端の深さ約10メートル付近から、内径3.5メートルの輪切り状のパイプを押し込みながら掘り進み、中央の縦穴で連結する。東側は東ジャカルタのクボンナナスから今年2月に着工、パイプの埋め込みを終えた。西側600メートルは縦穴掘削予定地のビダラチナの土地収用手続きが済んでいない。
 バスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相は12日、放水路東側の完工式典に出席。「問題解決は簡単ではない」と述べたが、西側は16年12月に完工予定で、17年からの運用開始を目指すとした。同相によると、ビダラチナ土地収用はほとんど終わり、住民の多くは州営住宅に移転した。政府は当初、地下放水路完工を今年10月と見込んでいた。
 チリウン川には西放水路があるが、13年1月の大洪水時には決壊し、都心や大統領宮殿にまで浸水地域が拡大して都市機能がまひした経緯がある。これを受けて政府は東放水路への連結事業を加速させていた。(堀之内健史)

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