巡礼イ人死者100人超 遺体確認で現場混乱 サウジ圧死事故 25年間で最多に

 サウジアラビア・メッカ近郊ミナで先月24日に発生した大巡礼(ハッジ)の圧死事故で、宗教省は4日、インドネシア人死者数が100人に達したと発表した。依然28人が安否不明で、現地に派遣された医療チームが遺体確認を急ぐが、サウジ政府の対応の遅れで現場は混乱している。1990年の圧死事故以来、過去25年間で死者数は最多になり、巡礼ツアーを運営する宗教省にも批判が集中している。

 宗教省と国家警察のチームは現地の遺体収容施設で、指紋や写真照合などで独自にインドネシア人巡礼者を確認している。1日にはルクマン・ハキム宗教相も現地入りし陣頭指揮を取った。宗教省によると、遺体収容施設の環境が悪化し遺体の識別が困難になっているという。
 サウジ政府の公式発表では犠牲者数は789人(先月28日時点)だったが、約2千体の遺体写真を各国に公開した。さらに埋葬を開始したことで現場には混乱が生じている。宗教省の担当者は「死者として公表された巡礼者の写真には負傷者なども混じっており、慎重に確認する」と話した。
 国会8委員会(宗教)のサレ・ダウライ委員長は、最多の犠牲者を出したイランが遺体を母国に送還させたことを挙げ、「巡礼を管轄する宗教省が責任を持って全遺体をインドネシアへ輸送すべきだ」と主張した。4日に帰国したルクマン宗教相に対しても、議員から「遺体確認が終わるまで現地にいるべきだ」と批判が出ている。
 事故原因や死者数について、サウジ政府は今週中にも公式の調査結果を発表する見通しだ。ムスタファ在インドネシア・サウジアラビア大使は「(この50年間で)巡礼者数が急激に増え、受け入れ環境の整備に苦労している」と話した。
 事故発生から11日が経過し、発表の遅れにインドネシア政府側はいら立ちを隠せない。ムスリムは死後24時間以内に埋葬しなければならず、宗教省巡礼総局の担当者は「一刻も早く、サウジ政府は遺体の指紋認証の結果や名前を公表すべきだ。実態がつかめない」と困惑している。

■GPS配布を計画
 巡礼は各国ごとに参加者数が決められており、インドネシアからは世界最多の16万8千人が参加している。今回の事故は巡礼最終日の悪魔の石柱に石を投げる儀式に向かう途中で、インドネシア人巡礼者は儀式から戻る人の波とぶつかったとみられる。
 石投げの儀式では巡礼者の圧死事故が多発している。1990年には1426人が死亡し、インドネシア人死者は631人に達した。2004年に251人が死亡した事故ではインドネシア人54人が犠牲になった。
 ルクマン宗教相は身元確認の迅速化を目指し、来年以降の巡礼者に全地球測位システム(GPS)を搭載したチップを配布する計画などを明らかにしている。(小塩航大、アリョ・テジョ)

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