外国人口座 開設容易に 5万ドル以内はパスポートで 金融庁、経済パッケージ

 金融庁(OJK)は、外国人に対する外貨建て銀行口座の開設手続き緩和を検討している。9日にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が発表した経済パッケージに盛り込まれており、OJKが来週中に正式発表する予定。5万ドル以内の預金額であれば、パスポートのコピーの提示で開設を認める方向で進めている。

 国内銀行の外貨預金残高の増加を狙った政策。外国送金などにかかる手数料収入の増加も期待する。OJKのムリアマン・ハダッド長官は「まもなく手続きを改正し、外国人の口座開設の手順を簡素化する」と述べた。
 これまでインドネシアで銀行口座を開設する場合、パスポートのほかに暫定滞在許可証(KITAS)や企業の雇用証明書などの提示が求められていた。
 地元メディアによると、ムリアマン長官は検討中の手続きの詳細について、5万ドル以内の預金口座開設であれば、KITASを取得していない観光客でも、パスポートのコピーの提示だけで口座の開設を認め、5万ドル以上の場合は自国の銀行の証明書や、インドネシアの滞在先の居住を証明できる書類などの提示を求める方針という。
 ムリアマン長官は「改正内容は国際水準に合わせる」とし、外国人の口座開設が容易な国を基準にしていると説明した。OJKの試算では、観光客の約2割にあたる200万〜300万人の口座開設需要を見込んでおり、同長官は「年間240億ドルほどの外貨預金の獲得が見込める」と述べた。
 ジョコウィ大統領は9日の銀行エキスポ開幕式で「OJKの方針は外貨の流入を増やし、外貨準備高の増加にもつながる」と歓迎した。
 最大手マンディリ銀行のブディ・サディキン頭取は「外国人の口座開設者の増加が期待される」と歓迎。国営ラクヤット・インドネシア銀行(BRI)も外貨預金残高を10%増やせると見込む。
 銀行業界の関係者からは「インドネシアで外貨預金口座の需要は少なく、改正効果は限定的」と懐疑の声も出ている。(佐藤拓也)

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