イのマンガが日本初上陸 デジタルカタパルトが電子書籍

 デジタルコミック販売サイト「ソク読み」を運営するデジタルカタパルト(本社・東京都文京区、大澤春雄代表取締役)は、インドネシアのマンガを翻訳し、ネット販売を開始した。従来の「日本からインドネシア」とは逆方向でマンガを日本が輸入する初の試み。デジタルカタパルトの平柳竜樹取締役は「インドネシアのマンガのレベルは高い。日本のマンガ業界に新風を吹かせたい」と意気込みを語った。                          
 販売を開始したのは「ガルーダヤナ・サーガ」の1〜3巻。同作はトレジャーハンターの「キナラ」と伝説の鳥「ガルーダ」による冒険物語。国内では5巻まで販売されており、アニメ化もされるなど人気を博している。デジタルコミック販売サイト「ソク読み」で購入や試し読みができる。デジタルカタパルトは専用の特設サイトを設けてプロモーションを実施しており、今年度中には第4巻の販売も開始する予定だ。平柳取締役は「野球で言えば日本市場はメジャーリーグにあたる。インドネシアのレベルの高いマンガで、本場の読者を驚かせたい」としている。
 販売は平柳取締役がインドネシアを訪れた際に、たまたま同作を目にしてほれ込んだことがきっかけで実現。国内販売元の出版社ミザンに連絡し、契約から販売まで手がけた。
 海外の作者による作品は、日本の絵を真似て描かれているものも多く、絵柄は日本人にはとっつきやすい。反面、文化的背景が作品に組み込まれているので分かりにくい点があるが、そこが日本人作者には書けない作品の面白さになるという。平柳取締役は「ガルーダヤナ・サーガを通して、インドネシアの伝統芸能や文化に触れることができる」と話す。同作はインドネシアの伝統芸能・ワヤン(影絵芝居)のキャラクターが多く登場し、翻訳しただけでは日本人には理解できない部分がある。そのため特設サイトには背景の記述をするなどの工夫が施されている。
 電子コミックは紙での出版に比べて、電子化や流通にかかる経費も安く、手軽に商品化できる。平柳取締役は「デジタルで売れ行きが好調ならば、紙の出版への道も開ける。作家にも利点は多い」と指摘。今後もインドネシアをはじめとした海外のマンガをデジタルコミックにして日本に持ち込み、将来的には海外作品100冊程度が常時購入できるように計画している。(藤本迅)

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