54人全員の遺体発見 トリガナ・エア 着陸直前に墜落か パプア山間部
パプア州内陸にあるオクシビルへ向かっていたトリガナ・エアの双発プロペラ機(ATR42―300型)が16日に墜落した事故で、国家捜索救難庁は18日、全乗客乗員54人の遺体を発見したと発表した。飛行データを記録したブラックボックスもすでに回収しており、墜落原因の究明を急ぐ。
乗員乗客は全員インドネシア人で、遺族らはセンタニ空港で家族の帰りを待っている。国家捜索救難庁によると、州都ジャヤプラの病院へ遺体を搬送し、被害者の搭乗時の姿や歯型や指紋、DNA検査などで遺体の身元確認を進めている。
同機は州都ジャヤプラのセンタニ空港から42分間のフライトだったが、離陸して30分後に管制塔との連絡が取れなくなった。現地からの報道によると、事故当日は激しい雨と風、濃い霧が発生する悪天候だった。着陸の直前に山肌に墜落したとみられており、オクシビルから約12キロ離れたビンタン山の山岳地帯で発見された。機体は大破していた。
トリガナ・エアは2006年、同州プンチャックジャヤ県ムリアからイラガへ向かった小型機が山へ衝突し12人が死亡する事故を起こすなど、設立された1991年以降、機体が消失・大破するなどした重大事故が19回発生しているという。
今年1月にはパプア州パニアイ県エナロタリ空港に着陸しようとしたプロペラ双発旅客機が風にあおられ、滑走路から逸脱し機首が破損する事故があった。欧州では2007年から同航空機の欧州上空での飛行を禁止している。(毛利春香)