街の花火屋が活況 大晦日へ向けピーク
大晦日を目前に控え、街中には花火を売る人たちの姿が多く見かけられるようになった。大晦日の前日から当日の晩にかけて、花火の販売はピークを迎える。
二十八日、中央ジャカルタ・タナアバン市場のジャティ・ブンダル通りには花火を売る店がいくつも並んでいた。普段は果物や衣料品を売っている人たちが、この時期になると花火屋を開く。爆竹、手持ち花火やロケット花火、火を付けると花火が連続で飛び出すものまで、大小さまざまな花火が店先に並んでいた。
この場所で毎年、花火を売り続けて三十年のウミ・イパさん(四六)。普段はここで鶏や魚の飼育用の餌を販売しているが、毎年、十一月中旬から年末まで店を開く。
花火は、夫が西ジャカルタ・コタの卸売り市場から買ってくる。すべて中国からの輸入品。「インドネシア製もあるけど、中国製の方が質がいいからね。これなんかとてもきれいだよ。色違いの花火が十回、次々と飛び出すんだ」と三十センチほどの長さがある筒型の花火を薦めた。花火の値段は三千―三十万ルピアほど。売上は最も多い日で、百万ルピア(約八千七百円)ほどになるという。
インドネシアではレバラン(断食明け大祭)や新年を迎える際に、爆竹や花火を使って祝う慣習があるが、火の不始末などにより火事が絶えないことや、テロ対策などの観点から、近年は警察の取り締まりが強化されている。花火の販売には許可証が必要だが、無許可で販売する人も多い。
大晦日の晩には、街中が新年を祝う爆竹や花火が放つ音と光に包まれる。