帰省で村落潤う お年玉・贈り物・お土産 高まる現金需要

 レバラン(断食明け大祭)期間中は帰省により、都市部の経済活動が止まる一方で村落にとっては帰省者の持ち込むお金で潤う機会となる。今年は消費減速が顕著だが、年に一度の帰省時にはお金を使う。親戚の子どもへの「お年玉」や贈り物のほか、職場などへの故郷のお土産需要も高まっている。
 ラマダン(断食月)、レバラン期間中は現金需要が急増する。中銀予測によると今年のラマダン、レバラン期間中の現金需要は125・2兆ルピア程度で、昨年の124・8兆ルピアから微増を見込む。例年に比べ上昇率は下がっているが、中銀広報は「経済活動の鈍化に加えて、現金を使わない傾向がみられる」と電子マネーなどの利用が増えていると分析した。
 現金需要が増えるのはレバランの帰省時には子どもに「お年玉」を与えたり、両親などに物を贈ったり習慣があるためだ。日刊紙コンパスによると、中部ジャワ州ウォノギリ県に帰省していたエディ・シスウォヨさんは移動費や滞在費とは別に300万ルピア(約2万8千円)を用意し、親族に渡した。
 また現金需要が高まるこの時期は外国で働くインドネシア人の出稼ぎ労働者からの送金も増える。西ジャワ州チルボンに住むロアイサさん(40)は、台湾で働く弟は帰省はしないものの、レバランや生活の費用としてまとまった金額を送ってきたと話した。
 コンパスによると、これまで帰郷の際にヤギや牛、水牛を贈ることが多かったが、最近は現金のほかオートバイや携帯電話、テレビなどを贈るケースが増えているという。
 西ジャワ州中小企業・協同組合局のアントン・グストニ局長は「帰省者の動きは、村落でのお金の循環を促す」と期待する。それぞれの村の農業品や手工芸品など名産品があり、帰省者が都市へのお土産に買っていくという。
 ジョクジャカルタ特別州から中部ジャワ州バニュマス県ソカラジャに帰省しているアグスさんは、国営アンタラ通信に「グトゥック・ゴレン(キャッサバを揚げてヤシ砂糖で味付けしたバニュマス県名産のお菓子)をジャカルタへのお土産に買って帰る。ジャカルタにもグトゥック・ゴレンはあるけど味が違うから」と話した。
 同県東プルウォクルトに帰省していたダルマワンさんはジェナンジャケット(もち米とヤシ砂糖、ココナツミルクから作った同県名産のお菓子)を注文。自宅がある中部ジャワ州クラテンへ戻る際のお土産用だという。
 ジェナンジャケットを生産するスリ・モナさんによると、通常は1日200〜300キロのもち米を使っているが、レバラン期間中は900〜千キロに使う量が増えている。(堀之内健史)

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