2000万人「民族大移動」 あすレバラン チパリ高速道に流入

 17日に迎える見込みのレバラン(断食月明け大祭)を控え、帰省の波はピークを迎えた。政府は今年初めて帰省者数が2千万人に達すると予測。首都圏と西ジャワ州チルボンを直結する国内最長のチパリ高速道路が開通し、ジャワ島を横断する旧来の大動脈ジャワ北岸道路(パントゥラ)の交通量が激減した。一方で連結された高速道の長距離化に伴う事故も多発している。

 レバランの始まりは、宗教省が16日夕にイスラム団体代表らと月の満ち欠けの観測結果を協議し、正式発表する。
 国民の祝日となるレバランの17、18日前後は有休休暇奨励日に指定されており、16〜21日の6連休に故郷の家族や親戚と過ごそうと、多くの市民が帰省する。政府は今年初めて帰省者数が前年比40万人増の2千万人の大台に乗ると予想。陸上交通機関の利用者は4918万人、船は1670万人、航空機は4126万人と見込む。
 帰省ラッシュに伴う事故も多発している。警察の調べによると、10〜13日に全国各地で発生した交通事故は723件、死者は152人に達した。西ジャワ州チルボン南郊で14日に発生した長距離バスの事故では、建設作業員ら帰省者11人が死亡。原因として、3時間休憩を取っていなかった運転手の居眠り運転や、1995年製造のバスの未整備などが挙げられている。
■北岸道は利用者激減
 西ジャワ州のアフマッド・ヘルヤワン知事は14日、首都圏から中部、東ジャワに向かう帰省者のうち70%がチパリ高速道を利用し、ジャワ島を横断する主要幹線道路だったジャワ北岸道は30%に激減したと明らかにした。ジョコウィ大統領の指示で、チパリ高速道の利用促進策として22日まで料金値下げを実施している。
 帰省者がチパリ高速道に流れ込み、北岸道の交通量は前年同期比で40%減少した。帰省ラッシュの大渋滞や劣悪な道路で知られている北岸道について、公共事業・国民住宅省は、来年の国家予算から北岸道の改修費を40%削減し、スマトラ島など他地域の道路整備に充てる方針を発表。住宅開発などチパリ高速道の沿線地域の活性化を進める。
■スラバヤ1日7本
 国鉄はレバラン前後の15日間は1日304本を運行する。チケットのオンライン予約が定着、当日券の販売も主要駅に自動券売機を設置し、チケット買い占めなどの違法売買への対策を講じている。
 空の便は15日夜にピークを迎えた。スカルノハッタ国際空港は10〜15日に計80万5千人が利用。前年同期の96万7千人から減少した。
 東ジャカルタのハリム空港では国営ガルーダ航空子会社の格安航空(LCC)シティリンクがスラバヤ、ソロ、マランの各便を増便。LCC激戦区のスラバヤ行きは1日7本で帰省者に対応している。東ジャワ州東部のラウン山噴火による火山灰の影響は15日時点で出ていない。(配島克彦)

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