各地からムスリム、一体感 首都のイスティクラル 世界最大級モスクで断食 朗読、寝泊まり それぞれの信仰

 中央ジャカルタにある世界最大級のイスティクラル・モスク。国内各地のムスリムが礼拝に訪れる。礼拝の合間にコーランを読んだり、日中の涼しい風に当たりながら、屋内で一時の眠りをとったりする信者も。荘厳な建築の中で自己修練に励む一方、思い思いにラマダン(断食月)を過ごす姿があった。

 チェチェップさん(64)は毎年、ラマダン(断食月)が近づくとバンテン州タンゲランの住まいを離れ、わざわざジャカルタに出てきて礼拝する。今年も18日からイスティクラルに泊まり込んでいるという。
 昼下がりの午後3時過ぎ、「国内のムスリムが集まってにぎわいをみせています。ここは、一体感を抱くことができる場所。世界に誇れるモスクなんです」と頬がゆるんだ。
 チェチェップさんによると、ラマダン期間中は、モスクでの寝泊まりが自由。「大理石の冷たさと吹き抜ける風が気持ちいいです」とモスクの廊下で昼寝をする人びとを指差しながら話した。
 普段はコーランを読み、気ままに時を過ごすが、時には訪れたムスリムの人たちに全身マッサージのサービスもする。料金は1回5万ルピア。4人の子どもを持ち、「大学に進学したばかりの娘がいる。これから、レバラン(断食月明け大祭)には妻のふるさとのスラバヤに寄るつもり。少しでもお金を稼がないと」と話した。
 東ジャワ州スラバヤの女子大学生シャリ・ファニさん(21)は、大学の哲学講座の一環でジャカルタに出てきて、初めてイスティクラルを訪れた。「スラバヤにはこのような規模のモスクはありません。歴代の大統領も訪れている。実際に現場に来て雰囲気を味わってレポートを書くよう、教授から言われています」と語った。数日の滞在の末、23日にはスラバヤに帰る予定で、「せっかくのジャカルタなので、独立記念塔(モナス)広場にも行き仲間と一緒に観光しました」と笑顔で話した。
 午後6時ごろになると、ブカ・プアサ(1日の断食明け)のための食事を売る露店商がイスティクラルの敷地内を埋め尽くし、一層のにぎわいをみせた。(山本康行、写真も)

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