「おもてなしの精神」で 優勝はリンダさん 第44回全国日本語弁論大会

 第44回日本語弁論大会大学・一般の部全国大会が20日、南ジャカルタのエネルギービルで開催された。優勝したのはリンダ・アリア・ウィダヤンティさん(西ジャワ州パシム大学)。「日本のおもてなしから平和が生まれる」という題目で、互いを思いやる精神が社会にいい影響を与えると呼びかけた。

 リンダさんは、日本には客人をもてなす際に「おもてなし」という言葉があることを知り、インターネットなどで情報を収集。日本では最近、ハラルフード(イスラムの教義に沿った食品)や礼拝所の設置が徐々に浸透していることを知った。「日本のおもてなしの精神は、相手を理解しようと心配りをしている証拠。それが世界に広がれば、お互いを尊重し合える関係を築くことができ、世界は平和になるはず」と訴えた。
 準優勝は「笑顔の力」と題し、笑顔の重要性を説いたグラム・ビンタン・シャーリアルさん(東ジャワ州アイルランガ大学)。「笑顔は人々に伝染する。笑顔であふれる社会を作りたい。そのために、将来は路上で生活する子どものための学校を建設したい」と話した。
 3位は「先生、質問があります」と題し、質問の仕方を工夫することで教師との信頼関係が生まれ、日本語の勉強の効率があがったと話したニサ・アプリリアさん(ランプン州テクノクラット外国語大学)。4位は「漢字アレルギーから漢字ラブに」と題し、日本語学習者が苦手とする漢字の習得方法を説明したアディティヤ・クリスナ・ペルサダさん(ジャカルタ特別州リア外国語大学)が入賞した。
 審査委員長を務めた日本大使館の竹山健一参事官は「参加者の日本語がうまいのは例年通りだが、内容が引きつけられるものが多かった」と感想を話した。
 国際交流基金の小川忠東南アジア総局長は「今年の弁論は、例年に比べて内容のレベルが高かった」と話し、社会的な問題に踏み込んだ内容の弁論が目立つ大会だった。

■1、2位は日本へ
 弁論大会には全国9地区の予選を勝ち抜いた14人が参加。1位のリンダさんと2位のグラムさんは、10月に日本で開催されるASEAN(東南アジア諸国連合)・日本語スピーチ・コンテストに参加する。
 会場では、国内にある日本文化を紹介した動画の出来栄えを競う、「日本語リポーターコンテスト」の最終投票も行われた。初の試みとなるコンテストでは、ジョクジャカルタ特別州のたこ焼きブームを取り上げたレヤン・ロミさんが優勝した。
 大会は、国際交流基金と元日本留学生協会(プルサダ)、研究技術・高等教育省が共催し、日本大使館などが後援した。(藤本迅、写真も)

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