新小型車を初公開 トヨタ、ダイハツ、アストラ 優遇税制適用念頭に イ人がデザイン担当

 トヨタ自動車、アストラ・インターナショナル社、ダイハツ工業の3社は19日、政府がまとめている優遇税制「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」を念頭に開発した新小型車を公開した。トヨタは「アギア」、ダイハツは「アイラ」として販売する。量販車としては世界で初めて、インドネシア人がデザインを担当。インドネシア専用車種として販売する。自動車の大衆化(モータリゼーション)が進む中、他社に先駆け、LCGCプログラム向けの車種を公開。発売時期は政策が決定後となるため未定だが、市場の一層の拡大を促す起爆剤になることが期待される。(田村慎也、写真も)

 排気量は1000cc。ダイハツの軽自動車「ミライース」で使用した軽量化技術を応用した。20日に開幕するインドネシア国際モーターショー(IIMS)でも展示する。
 販売価格も未定だが、LCGCの適用を見込み、ダイハツ「セニア」の1億2860万ルピア(約106万円、最安モデル)や、トヨタ「アバンザ」の1億4575万ルピア(約120万円、同)を大きく下回ると明らかにした。所得水準の上昇で増加している、初めて自動車を購入する層の市場を開拓し、一層の販売台数引き上げにつなげる考えだ。
 アギア、アイラには、トヨタ、ダイハツ両社で世界初となる、対象国独自のエンブレムが使われている。アギアの前方中央には、国鳥「ガルーダ」のマーク、アイラにはアイラの「A」を象ったマークが使われている。両車両の後方には、それぞれ「アストラ・トヨタ」、「アストラ・ダイハツ」のロゴが入り、インドネシア市場に特化したモデルであることを象徴付けた。
 現地法人アストラ・ダイハツ・モーター(ADM)社が西ジャワ州カラワン県のスルヤチプタ工業団地で製造し、アギアは、トヨタにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。 
 南ジャカルタのリッツ・カールトン・ホテルでの記者会見で、トヨタ本社の布野幸利副社長は「インドネシアの人々に喜んでもらえる車種になったと思う」、ダイハツ本社の伊奈功一社長は「コンパクトカーの技術を最大限に活用した車種だ」と語った。
 会見には、ヒダヤット工業相、ギタ・ウィルヤワン商業相、アストラ社のプリヨノ・スギアルト社長などが出席。約200人の報道陣が詰めかけた。
 トヨタとダイハツは、2003年からインドネシアでの協業を開始。OEM生産しているアバンザ、セニアや、ラッシュ(トヨタ)・テリオス(ダイハツ)に、新車種をさらに加え、協力体制を強化する。

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