古都ソロは祝福ムード 新郎「式は質素に」

 ジョコウィ大統領の長男ギブラン・ラカブミンさんの結婚披露宴が行われた中部ジャワ州ソロ北部のスンブル地区は11日、厳重警備体制が敷かれる中、各地から訪れた来賓たちで終日祝福ムードに包まれた。 

■亡き父にクロンチョン
 ジョコウィ氏の自宅周辺では早朝から、大衆歌謡クロンチョンの楽団4グループが路上で演奏。閑静な住宅街が流麗なメロディーに包まれた。ジョコウィ氏はその中を、近隣住民と一人ずつ握手を交わしながら、自宅から式場へ歩いて向かった。楽団を率いるダルノさん(45)は「ジョコウィ氏の父もクロンチョン楽団をやっていた。亡き父に初孫の晴れ姿を見せたかったのかもしれない」と話した。
 ソロの地元メディアによると、ギブラン氏は今回の結婚式を挙行するにあたり、大通りでの馬車のパレードなど父が提案する盛大なイベントを断り、馬車の使用は自宅と式場の往復200メートルに短縮。数日間にわたるジャワ伝統のお祝いの儀式も簡略化するなど質素に徹したという。
 ジョコウィ氏は家族の行事として長男やイリアナ夫人、叔父ら親族、官邸の職員に式の運営を任せた。自身の子どもの初の結婚式に有力者らを多数招待する一方で、ベチャの運転手ら地元市民やジャカルタなど各地から支持者も招いた。
 地元住民のインサンさん(34)はソロでこのような大規模な式典が開かれたことを歓迎し、「ソロの人々は大変誇りに思っている」と話した。

新婦は地元の銀行員 新郎は式場も運営
 ギブラン氏はジョコウィ氏の子供2男1女の中でも父の政治活動に批判的として知られ、ジョコウィ氏がソロ市長在任当時からメディア露出を避けてきた。中学、高校、大学とシンガポールで学校生活を送り、帰郷後は父の家具業は継がずに配膳会社を設立。ウェディングプランナーとして今回式場として使ったホールの運営も手がける。普段は自ら配膳で軽トラックを運転するなど、地元市民の間では自立心の高さや勤勉さで知られる。
 新婦のセルフィさんは地元の大学卒業後、銀行員として働く。2009年のミス・ソロに選ばれ、自宅はジョコウィ氏一族の家や式場、ギブラン氏のオフィスなどが集まるスンブル地区にあり、質素な平屋の借家に住んでいる。

■花輪500メートルも
 会場の多目的ホール「グラハ・サバ・ブアナ」前の大通りの両脇にはこの日、約500メートルにわたって花輪が並んだ。大統領の所属政党・闘争民主党(PDIP)関係者だけでも100メートル近くあり、会場前にはメガワティ党首や政府高官の名前が書かれた花輪が並んだ。
 周辺半径数百メートルの大通りは通行止め。式場まで行き来できるのはジョコウィ氏が動員したベチャ(三輪人力車)や政府関係者の車のみ。近くの広場は駐車場になり、来賓はここに車をとめ、送迎バスやベチャに乗り換えて会場に向かった。式場前には100人ほどのマスコミ関係者がが陣取り、訪れた著名人たちを取り囲んだ。(配島克彦)

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