36の瞳 小規模校の経験生かす バンドン日本人学校校長 櫻田弘道さん

 新たにバンドン日本人学校(BJS)の校長に着任した櫻田弘道さん(50)。BJSに初めて来て印象的だったことは、美しい日本語を使う子どもたちだったという。「日本にいる子どもたちの方が言葉を今風に崩して使っている。在外のBJSの子どもたちの方が、言葉遣いや態度一つとってもしっかりしていて、とてもうれしかった」

 櫻田さんは北海道北見市立若松小学校で校長を務めていた。専門教科は体育。「体力作りはとても大切。かぜもひかなくなるし、健康になれる」。BJSでは算数と国語を教えるが、機会があれば子どもたちと一緒に体力作りに取り組みたいという。
 櫻田さんが働いていた若松小学校は児童数約20人の小規模校で、全校児童・生徒が18人のBJSと共通点も多い。
 「児童数を増やすには魅力ある教育をしなければならない。ここバンドンでも小規模校に勤務していた時の経験を生かしたい」
 少人数校は一人一人の能力を伸ばすことができ、横のつながりも強くなる。一方で、社会で必要とされる縦のつながりや集団行動ができるかが課題。完全にデメリットを埋めるのは難しいが、保護者や地域を巻き込んで活動し、小規模校の良さを伝えていくという。「子どもの成長をより多くの人に実感してもらい、バンドンや近郊に住む人に選択肢の一つに入れてもらえるようにしてきたい」と話した。
 櫻田さんは1996〜99年に南アフリカにあるヨハネスブルグ日本人学校で教えていた。海外で頑張っている子どもたちと一緒に学校を作ることにやりがいがあるという。
 「限られた条件の中で、工夫して学校作りを進めるには、何が必要か本質を見極める必要がある」
 BSJでの目標は、自立心と感性の豊かさ、国際性を身につけてもらうこと。「低学年の児童にはインドネシアのことをよく知ることから始めてもらう。高学年の児童・生徒にはアジアなど世界へ目を向けてほしい」
 英語を学ぶ時間も1時間増やし、日本の幼稚園との交換留学も計画しているという。
 「何事にも前向きな教職員が多く、一丸となってすぐ行動に移せる。より良い学校にしていけるよう私も一緒に頑張りたい」と笑顔で話した。(毛利春香、写真も)

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