あすAA60周年会議 首脳会議に安倍首相
1955年に西ジャワ州バンドンで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)から60周年を記念する会議が19日、中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)で開幕する。旧植民地が独立後、欧米諸国を招かずに初めて開催した会議の意義を改めて確認する。アジアやアフリカを中心に109カ国、25の国際機関の代表が参加、首脳会議には日本から安倍晋三首相が出席する。
菅義偉官房長官は17日の会見で、安倍首相が21〜23日の日程で来イし、首脳会議に出席することを正式に発表した。首相は自身が掲げる「積極平和主義」の下でアジア・アフリカ地域の発展にも積極的に貢献していく決意を発信する。
2005年の50周年記念会議には当時の小泉純一郎首相が演説し、過去の植民地支配について「痛切な反省と心からのお詫びの気持ち」を表明。日本からの政府開発援助(ODA)について説明した。
インドネシア外務省は招待国のうち、東南アジア諸国連合(ASEAN)のマレーシアやタイのほか、中国や韓国の首脳の出席が決まったと発表しており、各国首脳を前にした首相の情報発信に注目が集まる。
会議では55年からこれまでの成果をまとめた「バンドン・メッセージ」や、パレスチナ国家樹立への支援を盛り込んだ「パレスチナ宣言」の採択を目指す。
記念会議は19日の次官級会合を皮切りに、閣僚級会合(20日)や首脳会議(22と23の両日)が開かれる。24日には、バンドン市内を首脳が行進し、60年前に示され、その後の民族解放運動にも影響を与えた「バンドン精神」の意義を思い起こす。
会期中には両地域の企業幹部らを招いてビジネスサミットが開かれるほか、海洋政策を話し合う催しも予定されている。(田村隼哉)