古典バティックの魅力紹介 成澤さん教室開講 歴史や文化的背景も

 兵庫県宝塚市を拠点に活動するバティック(ろうけつ染め)作家の成澤博道(はくどう)さん(65)が30日、南ジャカルタ・クバヨランバルの民家で、インドネシアで初めてバティック教室を開いた。邦人女性9人が参加し、専用道具の「チャンティン」を使ったろう描きに挑戦したほか、バティックの歴史や文化的背景への理解を深めた。

 成澤さんは1973年に外国人として初めてジョクジャカルタ特別州のバティック研究所に入学した、日本のバティックアートの第一人者。昔ながらの技術を持つ職人や道具が消え、バティック文化が衰退しているという危機感が、教室開催のきっかけという。
 教室ではまず、道具や生地、染色などについて、古典的手法と現在の手法の違いから説明。ガルーダの模様を例に、ジョクジャカルタや中部ジャワ州ソロといった地域ごとの描き方の特徴に触れるなど、図柄のいわれや意味も紹介した。
 「バティック黄金時代」とされる1910〜30年代を知る最後の世代で、成澤さんの指導者でもある職人(故人)が描いたサンプルや、研究所時代に入手した古典柄の写しなどを披露すると、教室参加者は緻密さに感心した様子で細部を観察していた。
 実際の作業では、地元職人でも本来の持ち方ができなくなっているというチャンティンの扱い方から始まり、基本となる点や線の描き方などを解説した。
 バティック作りを初めて経験するという野沢理咲さんは「日本人からみても、バティック文化が途絶えるのはもったいないと思う。町にあふれるバティックもきれいだが、古典的手法でしか描けないものもあると知り、とても共感した」と話した。
 今のところ、決まっている教室開催日は4月1、3、7、9、11日。今後も成澤さんや弟子らが定期的にジャカルタを訪れる。内容や費用の問い合わせは成澤さんの妻の恵理さん(インドネシア滞在中は携帯087・8860・91365、日本では090・8210・3458)まで。(道下健弘、写真も)

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