コンビニで「ごみはごみ箱へ」 ローソンとお掃除クラブが協力 海外初、3店舗で展開

 コンビニエンスストア「ローソン」とジャカルタお掃除クラブ(JOC) は12日から、ジャカルタの3店舗で「ごみはごみ箱へ」と呼びかける活動を始めた。お掃除クラブが「ポイ捨ては恥ずかしい」と印字された缶バッチやステッカーを店に提供。従業員がバッチを胸につけ、イーティングスペースにステッカーを貼って利用客に働きかけていく。
 今回の企画は、ジャカルタ特別州内でごみ拾い活動を続けているお掃除クラブがローソンに持ちかけたもの。昨年11月、お掃除クラブの芦田つよし代表とローソン事業担当の相原克彦ダイレクターが、店舗でのポイ捨てを減らすために何ができるか話し合い、実現した。 
 相原ダイレクターは「インドネシアでは食べ終わったごみを片付ける習慣が定着していない。一方的な押し付けにせず、今回の取り組みを見た客がごみを片付け、きれいにするという気付きの場になればうれしい」と話す。企画は今月末まで、西ジャカルタの南ムルヤ店など若者がよく集まる3店舗で実施。ごみ捨てに対する意識向上と広がりを若年層の発信力に託した。 
 ローソンが海外でごみに関する取り組みを実施するのは初めて。社是である「私たちは『みんなと暮らすマチ』を幸せにします。」をより客に見える形にした。 
 コンビニの各店舗には購入した食べ物をその場で楽しめる「イーティングスペース」がある。ローソンもテーブルや椅子、パソコンや携帯電話の充電ができるコンセントもあり、長居する人も多い。利用客が出すごみも多く、従業員が片付けている。 
 16日夕方、南ムルヤ店のイーティングスペースでは学生たちが食事をしながら談笑していた。店の窓ガラスやドアに貼ってあるお掃除クラブのステッカーを目にした学生のヘミーさん(20)は「ごみをそのままにして帰る人が多い。意識を変えるのは難しいが、続けていけば少しは状況が変わる気がする」と話す。グラフィックデザイナーのアルミンさん(28)は「テーブルの上に大きなステッカーを貼れば目立つから、メッセージがより伝わるのでは」と提案した。 

 ■アンケートも実施 
 3店舗ではレジで利用客を対象に、ローソンと相談してお掃除クラブが作成したアンケートを配布し、記入を求めている。アンケートは「きれいな店を維持することに賛成ですか」、「ちらかったテーブルを従業員が片付けることに賛成ですか」「自分が出したごみを自ら捨てることはかっこいいと思いますか」など5つの質問にマルバツで答えてもらうもの。 お掃除クラブのメンバーも店内で協力を呼びかけている。その一人で企画の責任者でもあるアルディ・ハンさん(27)は「お客さんが予想以上に協力的。片付けは店員の仕事、という中年の女性もいたが、若い人は、小さいごみも持ち帰って家で捨てると気づかせてくれた、と感謝する人も少なくない」と、手応えを感じていた。 
 ローソンとお掃除クラブはアンケートの結果をまとめて、具体的な活動を決める方針だ。 (山本康行、写真も)

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