光取り戻し双子と森へ 盲目手術のオランウータン1匹の育児放棄、惜しむ関係者

 手術で目に光を取り戻したスマトラオランウータンが、双子とともに森へ帰っていった―。
 傷ついたオランウータンを保護し、野生に返すプロジェクトをする環境団体パン・エコ(本部スイス)はこのほど、母親と今月に4歳を迎える双子(雌と雄)を5日にアチェ州アチェ・ブサール県ジャントの保護林に放したと発表した。しかし、翌日には母親が雄の育児を放棄してしまい、関係者は惜しむと同時に、母親が2匹ともに子育てするようになるよう、今後努力するとしている。
 双子の両親はともに盲目だった。母親のゴバーは2008年、農家のごみをあさっているところを保護。白内障だった。将来野生に戻れるよう団体が12年に手術を施し、視力は無事回復していた。
 父親は、違法飼育していた飼い主から空気銃で60発以上撃たれるなど虐待を受け、目のけがで失明していた。保護した団体は施設で2匹の交配に成功、10年1月21日に雌のギンティン、雄のガントゥンの双子が誕生した。
 パン・エコによると、オランウータンが双子を産むことは珍しいという。
 5日、森に放された母親のゴバーは双子の世話に慣れず、雄のガントゥンは母親について行くのが精一杯だったという。ゴバーとギンティンの母子は樹木の上部に寝床を作ることができたが、ガントゥンは母親から見放され、最後は団体が再び餌を与えた。
 パン・エコは02年からオランウータンを保護し、野生に返すプロジェクトを始め、これまでに220頭を保護。また熱帯雨林の保護活動にも参加している。

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