5社61便が無許可飛行 氷山の一角の可能性も 主要5空港、運輸省調査

 イグナシウス・ジョナン運輸相は9日、主要5空港を使用する国内航空5社が運輸省の許可を得ずに、計61便を運航していたと発表した。エアアジア機の墜落を受けた緊急調査で分かった。全便を対象にしない抽出調査のため、今回発覚した無許可飛行は、氷山の一角の可能性もある。

 調査はスカルノハッタ国際空港(バンテン州タンゲラン)やジュアンダ国際空港(東ジャワ州スラバヤ)、ングラライ国際空港(バリ州)、クアラナム国際空港(北スマトラ州メダン近郊)、ハサヌディン国際空港(南スラウェシ州マカッサル)で国内線を運航する全航空会社を対象とした。
 61便の会社別の内訳は、ライオンエアが最多の35便、ウイングスエアが18便、ガルーダ・インドネシアが4便、スシエアが3便、トランスヌサが1便だった。どの路線かについては公表しなかった。
 運輸省航空総局は無許可が発覚した時点で、該当便の飛行を禁止しており、現在は61便すべてが運休しているという。正規の手続きが済み次第、飛行を再開させるという。
 運輸省は同省職員の不正や過失などについても調査。ジョナン運輸相は職員11人を、「職務怠慢」を理由に処分する考えを示した。11人のうち3人が局長クラスのエセロン2とした。許認可に絡む問題が浮上したことを受け、汚職専門捜査機関の汚職撲滅委員会(KPK)が運輸省の調査に協力を申し出ているが、今回の調査では汚職の形跡は見つからなかったという。
 運輸相は職務規定の厳格化など、早急に対策を講じる考えを示すとともに、月内にもオンラインで飛行許可の申請をできる制度を構築し、透明性を高めると約束した。
 エアアジア8501便は先月28日、ジュアンダ空港を離陸後、中部カリマンタン州沖で墜落した。運輸省によると、エアアジアは同空港で週4日の飛行許可を得ていたが、墜落機は許可を得ていない日曜日に運航していた。さらに、運航管理担当者が気象気候地球物理庁(BMKG)の事務所に出向いて受け取りを義務づけられている気象データも、受け取らずに離陸したという。
 エアアジアのトニー・フェルナンデス社長は「行政手続き上のミス」として、会社側の責任を否定している。(道下健弘、アリョ・テジョ)

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