間接選挙案を可決 民主一転、議場退出 憲法裁申し立ても

 改正地方首長選挙法案を審議していた国会本会議は26日未明、間接選挙への移行を盛り込んだ改正法案と、直接選挙の維持を柱とする2案について採決した。独自の直接選挙改革案を採決対象から外された民主党は反発して議場を退席。直接選挙支持が過半数を占めていた状勢が逆転し、間接選挙への移行案を可決した。ただ、憲法裁に同法の違憲審査を請求し、司法判断を求める動きもあり、曲折が予想される。                                       
 25日午前に始まった国会本会議は、26日未明まで採決がずれ込んだ。25日深夜の時点では、直接選挙の維持を基本方針とする民主党が出した改革案を、闘争民主(PDIP)などジョコウィ次期大統領を中心とする政党連合が容認し、民主党案と間接選挙移行案で採決に入る見通しだった。 
 ところが、間接選挙を支持するグリンドラ党やゴルカル党など「メラプティ連合」は、審議終盤になって民主党案が割って入ったことに猛反発。議長席に各会派議員が詰め寄るなど混乱に発展した。 
 党派間調整の末、直接選挙維持案から民主党の主張を除く形で採決する方針が固まった26日午前1時半ごろ、「(改革案の)10項目が取り入れられなければ、民主党は中立にとどまる」(同党のベニー・ハルマン議員)と宣言。同党の出席議員128人中122人が退席し、間接選挙案可決が決定的になった。 
 間接選挙案に賛成したのはゴルカル党73人、福祉正義党(PKS)55人、国民信託党(PAN)44人、開発統一党(PPP)32人、グリンドラ党22人の計226人。一方、直接選挙案には闘争民主党(PDIP)と民族覚醒党(PKB)、ハヌラ党の計118人に、議場に残った民主党議員6人とゴルカルの造反議員11人が加わった計135人が賛成した。 
 民主党案は直接選挙と間接選挙の2案とは別に改革案を提示。議会による議員候補者の事前審査、首長選の同時開催、選挙費用の上限設定や会計検査の義務化、候補者に対する誹謗(ひぼう)中傷への罰則―などを盛り込み、本会議序盤から採用を主張していた。同党の支持を得られなければ直接選挙を維持できないジョコウィ氏派は一旦、民主党への譲歩を決めたが、最後の党派間調整で再び当初の2案で採決することが決まった。 
 ユドヨノ大統領は26日(西部インドネシア時間)、滞在先の米国ワシントンで記者会見し、「(議会による)民主主義の手続きを尊重するが、ひどく失望している」と述べ、民主党案が採用されなかったことへの不満を表明。憲法裁への不服申し立てか、最高裁へ提訴する考えがあると明らかにした。(道下健弘)

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