「イでガラス工房を開きたい」 ジャパンウィーク出展 野口硝子

 「インドネシアは元気で開放感がある。作品のアイデアが浮かびます」。第6回ジャカルタ日本祭り(JJM)の関連行事として中央ジャカルタのプラザ・スナヤンで開催中の「ジャパンウィーク」に出展する野口硝子(ガラス=本社神奈川県藤沢市)の代表でガラス工芸家の野口美枝子さん(44)。JJM参加は昨年に続いて2回目。透明感あふれるガラス工芸品は「とてもきれい」と人気を呼んでいる。                               
 
 プラザ・スナヤン内の野口硝子ブースには色とりどりの大小合わせて約500点のガラス細工商品が並ぶ。キーホルダー、イヤリング、ネックレスなどのアクセサリー類から干支(えと)やおひなさま、鯉のぼり、兜(かぶと)など日本の伝統文化をモチーフにした作品も販売されている。価格は15万ルピアからで100万ルピア前後の商品が多い。「アクセサリーでは赤と金色のものが良く売れています。特にゴールドはインドネシアの方は大好きですね」と野口さん。150万ルピアのゴールド色のネックレスを買い求めた会社経営のリサさんは「高価なものだけどとてもきれい。ファッションに合わせるのが楽しみ」と話した。
 野口硝子は藤沢市で工房を営み、デパートや小売店に作品を卸している。代表の野口さんはテレビ東京の番組「TVチャンピオン」のガラスアート部門で優勝したこともあるガラス工芸の第一人者。海外に作品を広めたいとニューヨーク、ロンドンなどでもワークショップを開いてきたが2年前友人からインドネシアを勧められ初来イ。「若い人が元気で明るい。街に開放感があって驚いた」という。以来ジャカルタでJJMを含め4回の展示を行ってきた。
 宇宙をテーマにした作品が野口さんの持ち味だが今回初めてインドネシアをモチーフにした作品を展示した。「天国の島」と名付けられた作品は3点、約8センチの円型ガラスの中で緑に覆われた小さな島が海に浮かぶ。空には白い雲が筋を引いている。「コモド島に行ったとき飛行機の中から見た風景をもとに作りました」と野口さん。
 シンプルなガラス細工がインドネシアで受け入れられるか不安もあったが、展示会を重ねるごとに市場としての手応えも感じられてきたという。今後は「こちらに工房を開いてインドネシアのデザイナーと一緒に作品を作ってみたい」と期待を込めた。
 ブースには西ジャワ州ボゴールにある自閉症児のためのコミュニケーションセンター「インドリヤ」に通う子どもたちが制作を手伝った作品も並ぶ。野口さんは同センターを主催するユミコ・サントソ・エトーさんと知り合い、ワークショップを開くなど活動を応援してきた。「子どもたちが素晴らしい色使いの絵を描くんです」と野口さんは微笑む。桜とコモドドラゴンモチーフのアクセサリーの色付けとひも通しを子どもたちが行った。
 野口硝子の出展は21日まで。売上の一部がインドリヤの活動に寄付される。(阿部敬一、写真も)

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