エネ鉱相が汚職容疑者に 99億ルピア規模の不正 KPKが発表

 予算の不正流用や民間企業からの賄賂で計99億ルピア(約8830万円)を得たとして、汚職撲滅委員会(KPK)は3日、エネルギー鉱物資源相のジェロ・ワチック容疑者(民主党)を汚職撲滅法違反と職権乱用・脅迫容疑で捜査すると発表した。現職で汚職事件の容疑者になる閣僚は3人目。いずれもユドヨノ政権下の事件だ。(道下健弘)

 KPKによるとジェロ容疑者には、同省各部局に割り当てられた予算の一部を、大臣の出張や会議出席などに伴う支出に充てる「大臣業務経費」に組み入れ、流用した疑いが持たれている。架空の会議に出席したと偽り、業務経費の収支をごまかした形跡もあるほか、石油・ガスや鉱山関連企業から賄賂を受け取っていた疑いもあるという。
 ジェロ容疑者はエネルギー鉱物資源相に就任した2011年10月以降、予算流用や汚職を繰り返していたとみられるという。KPKのアブラハム・サマッド委員長は犯行動機を「ぜいたくな生活への抑えがたい欲望があった」と説明した。
 KPKは当初、民間企業から収賄したとして昨年8月に逮捕した石油・ガス上流事業監督機関SKKミガスのルディ・ルビアンディニ前長官=一審で禁錮7年の判決=の事件を足がかりに、同省首脳や国会所管の第7委員会の汚職疑惑を追及しようとしていた。その後、ワルヨノ・カルノ事務次官らの取り調べで、ジェロ容疑者自身が予算流用を指示した疑いが発覚。今回の容疑公表につながった。
 ルディ前長官の捜査や公判では、エネルギー・鉱物関連の予算案を承認させるため、スタン・バトゥガナ容疑者(民主党)ら第7委員会委員に渡す金をルディ前長官が工面していた容疑が浮上。一連の不正はジェロ容疑者も把握していたとの公判証言もあり、KPKは予算流用容疑と並行してこれらの疑惑の裏付け捜査も進める。
 現職で容疑者に認定された閣僚は、スポーツ施設建設で収賄した民主党のアンディ青年スポーツ相(当時)=一審で禁錮4年判決=と、宗教省の巡礼者預金不正流用事件でKPKの調べを受けている開発統一党(PPP)のスルヤダルマ宗教相(同)=在宅で捜査中=がいる。

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly