「ドラえもん」英語版発売 教育熱の高まりに期待 来月上旬 小学館アジア
日本発の大人気コミック「ドラえもん」(原作藤子・F・不二雄)の英語版(『DoRaEMON』)が来月上旬発売される。既にインドネシア語版は発売されているが、今後中間所得者層の増加で教育熱が高まることが予測され、英語のニーズが強まると発行元は期待する。
同書は小学館アジア(本社シンガポール)が発行し、ジャカルタ特別州の紀伊國屋書店インドネシアの3店で来月上旬に発売される。イスラム圏で英語版は初。内容は「ドラえもん」の藤子・F・不二雄自選集上下巻を翻訳し各巻を2巻に分割。来月は上巻に当たる2巻を同時発売し、その後下巻部分の2巻を発売、計4巻となる。総ぺ―ジ数はインドネシア語版の通常のコミック約192よりも多い約260で判型も大きくし、紙も良いものを使い高品質なコミックとする。予定価格は12万ルピア。
小学館アジアの加治屋文祥社長は「教育への関心が高い層が関心を持ってくれると思う」と期待する。
「ドラえもん」(てんとう虫コミックス)は、1991年小学館がインドネシアで初めて正式に許諾したコミックで、全45巻が発売されている。関連書籍約40種類も刊行され、インドネシアは世界で7番目の市場となっている。
日曜日午前にTVアニメも放映され、国内で長い人気がある。紀伊國屋書店インドネシアの清水洋江アシスタントマネージャーは「小さい子どもにとってアニメと言えば『ドラえもん』でファンが途絶えない。認知度はとても高いので楽しみ」とし、インターナショナルスクールの生徒やその親などが購入者として予想されるという。
同書はシンガポールでも来月上旬発売、マレーシア、タイなどからも出版の引き合いが来ている。「アジアでは友情や家族の結びつきに対する考えが強く『ドラえもん』が受け入れられる文化的素地があった」(同加治屋社長)という。(阿部敬一)