ISIS支援を禁止 国籍剥奪なども検討 政府方針 打ち出す

 イラクやシリアで政府軍と戦闘を続けるイスラム教スンニ派過激組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」への支持が国内で広がっている問題で、インドネシア政府は4日、支持活動を禁止する方針を固めた。ISISに関与した場合には刑事処分や国籍剥奪なども検討する。関連ウェブサイトも遮断する。
 ユドヨノ大統領が同日午後、関係閣僚や軍、治安機関トップを集めて対応を検討した。国籍法では、合法的に成立した政府に対するレジスタンス活動に加担した場合、国籍の剥奪を規定しているほか、刑法でも同様の行為を禁止している。ISISに加わった場合にはこれらの適用を想定している。
 ISISへの支援呼び掛けや、勢力拡大につながるようなインターネット上の情報も規制する。動画投稿サイト「ユーチューブ」にはインドネシア人の男がシリア・イラクへの「参戦」を呼び掛ける動画が投稿されており、情報通信省は同日、ユーチューブ親会社の米グーグルに動画の削除を要請した。交流サイトなども含め、市民から通報があれば遮断する。
 外務省や法務人権省、国家テロ対策委員会(BNPT)、国家情報庁(BIN)が合同で国内の過激派の動きを監視し、シリアやイラク、両国への中継地になることが多いトルコなどへの渡航を防ぐ。外務省は中東諸国の在インドネシア公館に対し、インドネシア人へのビザ発給で慎重に手続きをするよう要請した。ルクマン・ハキム宗教相はISISの勧誘運動に警戒するよう宗教指導者に求めた。

■支援拡大、56人「参戦」 
 ISISはインドネシアがシリアで人道支援を始めた2012年ごろから勧誘活動を活発化させたとみられる。その後、徐々にISISに追従する動きは広がっていったものの、政府が積極的に規制することはなかった。あからさまな犯罪行為があるわけではないことや、特定団体の活動を制限するハードルは高いことが要因とみられる。
 ただ、最近になってイスラム過激派団体や当局が行方を追うテロ容疑者らが支援を表明したほか、中部ジャワ州ソロやバンテン州南タンゲランなどで支援集会が開かれた。ISISへの共感が拡大すると、政府も規制に舵を切った。国家警察のスタルマン長官によると、56人がイラクやシリアでの戦いに参加し3人が死亡したことが確認されたという。

■国是と共存は不可能
 ISISはシリア北部からイラク北部にまたがる地域で「イスラム国」を樹立したと宣言し、勢力を拡大させている。既存の国境を否定する動きには、多数の宗教や民族を抱えるインドネシア政府も警戒感を強めている。
 ジョコ調整相は会見で、「多様性の中の統一を掲げる国是と共存し得ない。政府はISISの教義が国内に浸透することを容認しない」と強調した。
 国内の主要イスラム団体からもISISの浸透を懸念する声が上がっている。ムハマディヤのトゥグ・サントサ青年部外交委員長は2日の声明で「イスラムの仮面をかぶっているだけのISISにだまされてはならない」と非難した。シャフィイ・マアリフ元議長も民放のインタビューで「宗教の名を借りたテロ行為だ。インドネシアの安全を脅かすものを持ち込むべきではない」とけん制した。(道下健弘)

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