「ビマX」新シリーズ登場 9月から1年間放映 特撮ヒーロー家族愛伝える

 日イ合作の特撮ヒーロー番組「ビマ・サトリア・ガルーダ」の第2シーズン「ビマ・サトリア・ガルーダX」(ガルーダの戦士ビマX)が9月14日、民間テレビ局RCTIで放映開始する。昨年、半年間放映された前作が好評で1年間にわたるシリーズ化が決定。新たなヒーローやヒロインを迎えるほか、日本の人気グループがテーマ曲を歌うなど、両国の文化交流の場としても注目を集める。
 第2シーズンでは、ビマとともに戦う新ヒーロー「アザゼル」が登場。アイドルグループJKT48のタリアさんが新ヒロインに選ばれた。前シーズンのヒロイン役で元JKT48のステラ・コルネリアさんも引き続き出演する。エンディングソングを今年2月に初来イした日本の4人組ロックバンド「flumpool(フランプール)」が担当する。
 前作は昨年6〜12月に26話放映されたが、今回は2倍の1年間50話になった。最高シェア率28.5%、平均シェア率16.7%と長寿アニメ「ドラえもん」に迫る人気を獲得したことが背景にある。原作や脚本は石森プロが手掛け、日本から監督やカメラマンなど8人が制作チームに参加。監督は日イ2人ずつのペア2組が務める。
 26日に開かれた記者会見で、主役ビマを演じるクリスティアン・オクタフィアヌス・ロホさんは「子どもたちが注目するヒーローとして責任を感じるようになった。正義感や勇気、家族や友人への愛情を伝えたい」と意気込む。日イの合作体制には「規律や技術などの面で日本人スタッフから学ぶことは多い」と話した。
 石森プロの園田大策・専務取締役は第1シーズンについて「『ビマが戦って終わり』という単調な物語になってしまった」と振り返る。今回は1年間かけ、登場人物の感情や人間関係を丁寧に描写する。「家族が一緒になって楽しみ、学んでもらえるようにした」と話した。
文化の懸け橋に
 ビマは、仮面ライダーシリーズを手掛けてきた石森プロと、インドネシア最大のメディアグループ「MNC(メディア・ヌサンタラ・チトラ)」が共同で制作。玩具などの関連商品をバンダイが販売、伊藤忠商事インドネシアがライセンスを管理し、総合的にコンテンツを開発する新しいビジネスモデルとしてスタートした。
 伊藤忠商事インドネシアの本岡卓爾社長は、昨年12月の日ASEAN特別首脳会議のスピーチで安倍首相がビマに言及し、「今年からインドネシアの子どもたちの新しいヒーローが加わりました」と発言したことを紹介。ビマが日イの懸け橋となり、インドネシアの子どもたちに希望を与えることに期待を示した。
 ビマの発案者でエグゼクティブ・プロデューサーを務めるレイノ・バラック氏は「石森プロの長年の蓄積が十分に生かされた番組になった」と話す。物語には日本人の規律なども盛り込まれている。「インドネシアの子どもたちに学んでほしいもの。こうした価値観は他国にも通用する」と指摘。シリーズ化するビマを4カ国で放映する計画も進めているという。
 ビマは9月14日から毎週日曜午前8時半に放送する。(山本康行、写真も)

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