歌通じ子どもと共感 サザンクロス、メールクワイヤーが奉仕

 混声合唱団ジャカルタ・サザンクロスと男声合唱団ジャカルタ・メールクワイヤーのメンバー16人は7日、西ジャワ州ブカシ市バンタルグバン郡にあるごみ処分場近くの学校「アル・ファラー」のホールで日本語の絵本を教えたり、一緒に歌ったりした。
 サザンクロスの松出和男団長によると、こうした奉仕活動は両合唱団では初の試み。同校で毎週土、日に子どもたちに日本語を教える元日本留学生リスカ・ズライカさんからの紹介、シギット・ウィドドさんの支援で実現した。
 同校は2007年にブカシ在住の社会活動家ウラン・サリさんが創設し、現在は26人の子どもが学んでいる。親たちはごみ処分場で働く貧困層で、正式な住所がない。子どもたちは出生証明書や住民登録証(KTP)を持てないため、公立学校に通うことができず、アル・ファラーで読み書きや算数を学んでいる。
 サザンクロスで指揮者を務める草薙隆文さんは「私たちは日本語を一生懸命勉強している子どもたちに感動した」と振り返り、「これからも応援したいと思い、両合唱部が奉仕活動をする事になった」。
 奉仕活動では、日本語と音楽の二つの授業で、子どもたち21人と触れ合った。日本語の授業では、日本語の絵本「おかあさん だいすきだよ」の読み方をメンバーが一人一人にインドネシア語や身振り手振りを交えながら教えた。最後には子どもたちが成果を発表。恥ずかしがりながら、絵本を読み上げる姿に拍手が送られた。
 音楽の授業では、子どもたちが練習を重ねてきた「Heart to Heart」と「上を向いて歩こう」、「未来へ」を両合唱団のメンバーと合唱。サザンクロスが「見上げてごらん夜の星を」「遥かな友へ」、メールクワイヤーが「田舎のモーツァルト」なども披露した。用意していた電子ピアノの電源が入らなくなるハプニングもあったが、アカペラで対応し、互いの歌声が青空の下に響き渡った。
 メンバーの加藤一男さんは「私にとっては孫の世代に当たる子どもたち。彼らが日本語を勉強することで未来の日イの懸け橋になる。とても楽しみ」と期待。「歌うだけでなく、子どもたちとの交流ができる。我々の活動の大切な意味の一つかもしれない」と実感をかみしめた。(山本康行、写真も)

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