幼児と母親の支援に尽力 カルティカさんインタビュー ゴトン・ロヨンに感心、財団の活動で

 スカルノ元大統領とデウィ夫人の長女、カルティカ・スカルノさん(47)がじゃかるた新聞のインタビューに応じ、社会活動や、自らの日常生活、日本やインドネシアへの思いを語った。社会活動では、母親と赤ちゃんの健康を守る活動に最も力を注いでいると述べた。2回に分けて掲載する。

▽ ジャカルタに来て3年、まず、カルティカ・スカルノ財団(KSF)の趣旨、目的から。
 「ニューヨークで設立した目的は、インドネシアの健康と教育の改善です。1997〜98年のアジア通貨危機の影響で、経済が悪化し学校へ行けない子どもが増えたのです。インドネシアの子どもたちを支援するため、つくりました」
▽具体的な活動は
 「最初は学校を作ろうとしましたが、共同創設者のステーブン氏が、今ある学校を改善した方がいい、という意見で、そういう支援をしています。私が知ってもらいたいのは、もう一つの柱のポスヤンドゥの支援です。ポスヤンドゥは地方の村にある小さな妊娠女性用のクリニックで、主に妊娠中と産後の母親と赤ちゃんの面倒を見ますが、その応援のボランティアを派遣しています」
▽活動を続けてどんな感想を持ちましたか。
 「ボランティアの女性パワーに驚きました。特にゴトン・ロヨン(相互扶助)。一人がユニホームを作ってきたことがありました。ユニホームを着るとモチベーションが上がるんですね。だから財団でみんなのユニホームを作りました。ますます働いてくれるので、すると感動しました。こういう助け合い、ゴトン・ロヨンはインドネシアのユニークな文化だと思います」
▽活動の規模は。
 「ポスヤンドゥ支援には日本大使館からも11万7000ドルの援助をもらいました。現在206カ所のポスヤンドゥを応援しています。研修を受けたボランテイアも約千人になります。バリ島ギィニャール、東ジャワ州グレシック、中部ジャワ州クブメン、西スマトラ州ソロックなどです」
▽ジャカルタの印象は。
 「驚いたのは渋滞とゴミが多いことです。交通手段が車に限られているから、出かけたいのに出られない。パリやロンドン、東京では広くて長い歩道があるので、安全に歩けますが、ここは難しい。市民はモールの中を散歩しているようです。公園とか緑地もすくない。都市環境が少しづつ良くなってほしい」
■ インタビューは、国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの後藤愛さんの協力を得て、カルティカさんの自宅で2時間行った。

<プロフィル> 1967年、東京生まれ、パリで育った。大学はボストンのパイン・マナー女子大でマスコミュニケーションと国際関係を学び、日本の民放で記者として約3年働いた。その後ニューヨークへ移り、2005年ロンドンへ転居、2011年からジャカルタに住む。家族は夫と7歳の息子が一人。

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