【火焔樹】ウルトラマンを呼ぼう

 私事で恐縮だが、お掃除クラブの活動の一環で紙芝居を南ジャカルタ・スティアブディの幼稚園で行なった。私たちのキャラクターであるごみかいじゅうは、ごみを食べて大きくなり、ばい菌を撒き散らし人々を困らせてしまう。「やっつけるにはどうしたらいいかな?」、ごみはゴミ箱へを繰り返し訴えてきたから当然「ごみはゴミ箱へ」という返事を期待した。しかし「ウルトラマンを呼ぼう」と大きな声が返ってきた。
 ごみかいじゅうも怪獣の端くれ。怪獣は正義の味方ウルトラマンによって退治されるというストーリーが頭に焼き付いていたのか。
 話は変わるが、選挙を控えたインドネシアでは誰が正義の味方なのか。メディアでは汚職の話が後を絶たない。KPK(汚職撲滅委員会)の捜査で成果も上がっているのは事実だが、まだまだ氷山の一角。どうすればいいのだろう。
 ここで子供たちの「ウルトラマンを呼ぼう」を思い起こした。悪人は徹底的に退治しなければいけないのだ。汚職がなくならないのはいろいろな理由があるようだが、一つは退治の仕方が甘いからではないか。捕まっても独房を一流ホテル並みに改修し、一旦抜け出して家族とバリ島旅行。刑務所の人が甘くて買収されたのか。これじゃ反省どころか、悪人はいつまでも悪人のままだ。
 でも将来、ウルトラマンを呼ぼうと叫んだ子供たちが選挙に参加する頃には、きっと悪人は徹底的に退治されるべきという考えが根付き、社会も変わってくるかなと考えさせられた。
 ウルトラマン対ごみかいじゅう、早速企画し実演すれば、ごみのポイ捨てだけではなく、インドネシアの変化を促せるかもしれない。ゴミと汚職を退治、一石二鳥だ。(ジャカルタお掃除クラブ代表 芦田つよし)

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