ODAもっと知って バリでプレスツアー 総領事館
日本のODA(政府開発援助)が現場でどのように生かされているかを広く知ってもらおうと、在デンパサール総領事館はこのほど、地元のテレビ局や新聞社を招いたプレスツアーを実施した。
総領事館に集まったのは観光情報誌を含む15社。柴田和夫総領事による説明を受けた後、まずタバナン県のタバナン総合病院を訪問した。ここでは無償資金協力によりX線検査装置が新設された。老朽化して使えなくなった古い装置に代わるもので、貧困層を含め、大勢の地域住民が利用する同病院にとって貴重な資産となる。記者らは調印式や装置の前で行われたテープカットの様子を熱心に写真に収めていた。
次に訪問したのは円借款により保全工事が行われたタバナンのタナロット寺院。海辺の岩の上に建てられた同寺院はバリ有数の観光スポットであると同時に、バリ人にとっては重要なバリ・ヒンドゥーの儀礼が行われる非常に重要な場所だ。
インド洋の波浪により海岸侵食が進んでいたため、海中に防波堤を築き、寺院ののり面を人口岩で防護した。工事に関わった公共事業省のプトゥ・スダナ氏は「放っておいたら寺院がなくなってしまうところだった。日本の援助に感謝している」と話した。
取材を終えてバリ・トラベルニュースのオカ・パスティニさん(20)は「ODAのことは新聞で読んだことはあったが、実際に見るのは初めて。とてもありがたいと思った。援助を受けたからにはこれからは自分たちでバリを支えていかないと」と話した。
ツアーを企画した安江勝信首席領事によれば、その後、参加した15社のほとんどがODAの事例を詳しく伝えており、テレビでは5分ほどにわたって放送されたという。(北井香織)