夫人会「応援の心」贈る 子ども支援の井上さんらに 文房具、楽器、はさみなど22箱

 在インドネシア日本大使館夫人会が7日、路上生活を送る子どもを支援している非政府組織(NGO)「ファクタ」に所属する修道女の井上千寿代さん(72)らに、活動に役立ててもらおうと寄付品を在インドネシア日本大使公邸で贈った。夫人会は、鹿取克章大使の恵津子夫人の呼びかけに応じ、文房具やはさみなど70万円相当の日本製品が集まり、井上さんは「まだ多くの人が日本からの支援を待っている。すぐに手元に行き渡るようにしたい」と感謝の気持ちを表した。
 恵津子夫人は、約40年前に聖心女子学院高等科で教師をしていた井上さんの教え子。「金銭ではなく、日本の製品で支援したい」という夫人の思いから、今回の贈呈につながり、夫人会のメンバーは井上さんとの交流も深めた。
 寄付品は、日本の文房具メーカーの消せるボールペンやスケッチブック、指で描くことができる絵の具、折れにくいクレヨンなど。タンバリンやトライアングルなど、子どもが楽しく使える物もそろえ、段ボール箱で22箱の量まで集まった。岐阜県の刃物会社から寄付され、ペットボトルや紙パックをリサイクル用に切ることができるはさみなどを、夫人会は「インドネシアの環境支援にも役立ててほしい」と井上さんに手渡した。
 井上さんはファクタを通じて貧困地域の住民や子どもの教育支援などを行っている。現在は洪水で被害に遭った地域を中心に、衣類などを援助。貧困地域にリーダーを置き、人々にすみずみまで行き渡る仕組みを整えた。
 「お金や物をもらうだけでなく、その人の誠心を受け取るように教えている」と井上さん。東、北ジャカルタを中心とした40地域で活動しており、これらは開発で当局から立ち退きを命じられている137地域に含まれている。「開発に協力したいと考えているのは皆一緒。それでも彼らは人間らしく扱われたいという強い思いがある」と共感する。
 寄付品は毎回ファクタのメンバーが一つ一つ選別する。「大変だが、そうすることで(支援者への)感謝の気持ちを忘れずにいられる」ようにするためだ。井上さんは「これからも貧しい地域の人々への支援を続けていきたい。パイプ役として人と人をつなげる存在でいられたら」と深い思いを抱き続けている。 (西村百合恵、写真も)

日イ関係 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly