「イ中関係は蜜月」「新興の人口大国」 「国際日報」CEO趙氏に聞く

 経済を軸にインドネシアと中国は急接近している。インドネシア最大の中国語紙「国際日報」の趙金川CEO(最高経営責任者)にインドネシアと中国の関係について聞いた。

 ―華人文化が自由化されて15年が経つ。
 スハルト政権時代の弾圧もあり、プリブミ(土着のインドネシア人)には華人に対する否定的な感情が残っている。だが、少しずつ減ってきている印象だ。
 インドネシアで生まれた華人のアイデンティティーは中国ではなく完全にインドネシアにある。プリブミと協力していける。
 スハルト政権下で育った世代は中国語を話せない人が多い。だが自由化後は若者が学校で中国語を学ぶようになった。中国の存在感が高まるにつれて、中国への留学生も増えている。中国語を学ぶことは中国と関係を深める上で重要だ。
 ―現在のイ中関係は。
 紆余曲折を経たが、関係は非常に良好。昨年、習近平国家主席がインドネシアの国会で初めて外国首脳として演説したことが、両国の蜜月を表している。
 同じ新興国であり、広い領土、多くの人口を持つなど共通点が多い。領土問題など紛争は抱えておらず、接近することでお互いが利益を得られる。
 ―経済協力も加速している。
 貿易額も増えているが、現在は高速道路やモノレール、鉄道などインフラ関係で中国企業が次々と受注している。中国は資金と技術を、インドネシアが労働力を提供しており、共通の利益になる。5〜10年後には発電所などエネルギー分野でも存在感が高まり、より密接な経済関係を築いていける。
 今はまだ日本や韓国に比べてインドネシアへの投資額は少ないがいずれ追いついていくだろう。
 ―東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部の国と中国との領土問題をめぐる緊張が高まっている。
 インドネシアの中立的な態度は評価できる。中国とフィリピン間の平和のための仲裁に動いており、緊張緩和に一定の役割を果たしている。(聞き手=アリョ・テジョ・デワンダル、堀之内健史)

趙金川(チャオ・ジンチュアン) 1954年生まれ、北京出身。国営新華社通信の記者として96年〜2001年までジャカルタ支局。米国、パキスタン支局でも勤務。11年から現職。

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