未精錬鉱石の禁輸断行 国会、緩和案を一蹴 予定通り1月から

 新鉱業法が定める未精錬鉱石の輸出禁止が2014年1月に施行されるのを前に、ジェロ・ワチック・エネルギー鉱物資源相は5日、例外的に輸出を認める禁輸緩和案を示したが国会第7委員会(エネルギー担当)は拒否した。政府と同委は最終的に来年1月からの禁輸実施で合意。実際に禁輸が開始されれば、日本をはじめ輸出先の国に大きな影響を与える可能性がある。 
  ジェロ大臣は委員会で、国内精錬施設の建設など対策に乗り出している企業については例外的に未精錬鉱石の輸出を認める措置を提案。精錬施設の建設を進めるためには未精錬鉱石の輸出で資金を確保する必要があると説明した。
 しかし第7委員会は、これまで十分な猶予期間があったが、業界は適切な対策を講じてこなかったとして提案を一蹴した。闘争民主党(PDIP)のバンバン・ウルヤント議員は英字紙ジャカルタポストに対し、「例外を認めるべきでない」と強調。「業界に打撃を与えたいわけではないが、法を無視するわけにもいかない」と話した。新鉱業法は09年に成立。政府は鉱石を国内で精錬し、付加価値を高めて輸出することでより多くの外貨を得る狙いだった。ジェロ大臣は現在、国内で28の精錬施設が建設中だと話し、禁輸が業界に与える影響は一時的として、楽観的な見方を示した。
 
■方針転換で混乱招く
 ただ、業界の停滞が国内経済に打撃をもたらすとの懸念もある。
 インドネシア商工会議所(カディン)は10月、全面禁輸が開始されれば、年間63億ドルの損失が出るとの試算を公表。業界が大打撃を受けると強調した。
 米系大手フリーポートは全面禁輸が実施された場合、パプア州ティミカの鉱山を閉山する可能性を示唆。同社は銅の年間採掘量250万トンのうち、40%を国内で精錬しているが、精錬能力の拡張が間に合わないという。
 政府は昨年2月、禁輸を同年5月に前倒しすると発表したが、その後、ニッケルなど65品目については20%の関税をかけた上で輸出を認めるなど、相次ぐ方針転換で業界の混乱を招いてきた。インドネシアのニッケル生産量は世界2位で、日本の調達量の半分を占める。鉄やクロムとの合金によるステンレス鋼などになり、携帯電話や医療機器、輸送機器などに幅広く使用されている。
 こうした経緯を踏まえ、非鉄金属精錬を手掛ける住友金属鉱山(東京都)は情報を精査した上で対策を講じるとしている。ニッケルはフィリピンやニューカレドニア、銅はチリやペルーからの輸入に切り替えるなどの対応が考えられるという。
 禁輸決定にスズやニッケルの相場も反応した。米ブルームバーグによると、ロンドン金属取引所(LME)で5日、スズ相場(3カ月物)が10月30日以来の高値を記録。ニッケルは一時、11月11日以来の高水準となる1万3918ドルに達した。(田村隼哉)

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