プロの踊りに「ブラボー」 由美子バレエ教室が慈善公演

 西ジャワ州ボゴールにある由美子バレエ教室は10日、中央ジャカルタのジャカルタ芸術劇場で「くるみ割り人形」の慈善公演を開いた。日本からゲスト出演したプロダンサーが同教室の生徒と共演。会場には約530人が集まり満員となった。
 赤・青・白の衣装がライトに照らされて舞う。今回は、雪の国とお菓子の国を舞台に、由美子バレエ教室の子どもたち112人が踊った。
 「かわいい」。上演中、子どもたちのたどたどしい踊りに笑いが起き、拍手の音が鳴り響いた。バレエ教室を主宰する由美子サントソ衛藤さんは「公演に向けて9カ月前から練習を積み重ねてきた」と話し、「生徒たちが踊りやすい曲を選んだ」という。
 クリスマスの日、主人公クララは叔父のドロッセルマイヤーからくるみ割り人形をプレゼントされる。その夜、くるみ割り人形が気になって眠ることのできないクララに不思議な魔法がかかる。ねずみの大群とくるみ割り人形の戦いからくるみ割り人形を助けると、魔法から解け王子の姿にもどる。王子はクララを雪の国とお菓子の国に招待し、夢のような時間を過ごすという物語。
 公演には、日本から森眞美さん(大屋バレエMOM代表)と英ロイヤルバレエ団の留学経験がある長田沙織さん、熊川哲也Kバレエ・カンパニー在籍経験があり、現在はフリーで活躍する高島康平さんがゲストで出演した。
 以前から交流がある森さんの紹介で、長田さんと高島さんの出演が決定した。森さんらプロのダンサーの圧巻の踊りを観客は固唾を飲んで見つめていた。「ブラボー」と叫ぶ声もあった。
 「くるみ割り人形」公演のほかにミニコンサートも開かれた。公演の最後には東日本大震災の復興を祈願し、復興歌「花は咲く」の曲に合わせ参加メンバー全員で踊り、締めくくった。
 「インドネシアのみなさんがバレエに興味がないかもしれないという不安があった」と話すのは、来イが初めてだという高島康平さん。バレエがまだ発展していないインドネシアで初公演を終え「思った以上にお客さんが楽しんでくれているのが分かった」と笑顔を見せた。
 「今回の公演でバレエを好きになってくれればうれしい」と話す。由美子バレエ教室の生徒たちとの共演について「日本から来た3人の姿をみて、バレエの技術を少しでも学んでもらったかな」と公演終了後の裏で、生徒たちを見つめていた。
 今回の公演の収益は全額、ボゴールのインドリヤ自閉症センターに寄付され、子どもたちの制服や器具、維持費に利用される。(山本康行、写真も)

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