王宮 盛大に祝う スルタン4女 ハユ王女結婚 ジョクジャカルタ きょうパレードウェブで生中継

 ジョクジャカルタ特別州で21〜23日、同州知事のハメンクブウォノ10世(スルタン)の4女ヌル・アブラ・ジュウィタ(通称ハユ)王女(29)とアンゲル・プリバディ・ウィボウォ(結婚後称号ハルヨ・ノトヌゴロ王子)さん(39)の結婚式が開催されている。22日にはユドヨノ大統領夫妻や閣僚をはじめ3千人以上の来賓が出席。国内外のメディアも注目する一大イベントに、スルタンを敬愛する市民の多いジョクジャカルタの町は喜びに包まれている。
 伝統の保存と継承に意欲的なスルタンの意向を反映し、婚礼の儀式の3日間は王家の伝統に従った10以上の儀式が続く。初日には心身を清めるシラマンや、スルタンがハユ王女・アンゲルさんと個別に対面するミドダレニの儀式などを開催。2日目は王宮内のパヌペン・モスクで開かれた誓いの儀式で、2人が正式に夫婦となった。
 3日目の23日は午前9時から、キラブ(婚礼の行列)を挙行する。新郎新婦とその両親が王宮の護衛隊120人、馬車12台、馬に乗った踊り手らを引き連れ、結婚披露宴会場に向かう。披露宴後の午後7時、新郎新婦が両親に別れを告げる最後の儀式パミタンで全日程が終了する。
 式のため、王宮内は数千のヤシの葉や花々で飾り付けられた。披露宴では、スルタン夫妻の好物カンビン・グリン(ヤギの丸焼き)やグドゥッグ・マンガル(ヤシの花芽の甘辛煮)、王宮伝統の料理が振る舞われる。
 婚礼を一目見ようと、ジョクジャカルタ市内には各地から数千人が訪れている。インドネシア・ホテル・レストラン協会(PHRI)ジョクジャカルタ支部によると、目抜き通りのマリオボロ通り周辺のホテルは23日まで満室。王宮近隣のホテルの稼働率は70〜80%に達し、通常時の50%を大幅に上回るという。式の様子はウェブサイト(kratonwedding.com)で放映される。
 ハユ王女は5人姉妹の4女。アンゲルさんとは留学先の米国で知り合った。ハユ王女はその後英国に進学し、アンゲルさんも国連開発計画(UNDP)で勤務を開始。結婚を迎えるまで、長期にわたり遠距離の関係を続けたという。全日程終了後の28日、2人はアンゲルさんが勤務するUNDP本部がある米ニューヨークに向かう。(宮平麻里子)

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