オール大阪で学生誘致 産官学の支援アピール

 大阪府国際化戦略実行委員会は22日、南ジャカルタのバライ・カルティニで留学・就職フェアを開催した。昨年に続いて2回目。優秀な留学生や人材を大阪に呼び込もうと、大学8校、日本語学校や専門学校16校、大阪の企業約10社が参加。産学官が一体となり、日本留学から日系企業への就職までを支援する体制をアピールした。 

 会場入口周辺には大阪の観光名所の巨大な写真を並べたパネルがずらり。「大阪街遊」の文字が躍る。道頓堀の風景写真の前で記念撮影する来場者が相次ぎ、その脇では、たこ焼きやお好み焼きを頬張る高校生や大学生が座り込んでいた。
 観光ブースの横には大阪の企業のブースを設置。中央のメーンステージでは、高校生などによる日本語のスピーチコンテストを催し、日本文化のサークルなども入れ替わり出演。ステージ右手には、大阪の大学や各種学校のブースなどが並び、横長の会場全体が産官学そろう「日本・大阪」一色に染まった。
 教育機関のブースには日本留学に関心を持つ高校生・大学生など約5千人が長蛇の列を作り、担当者の説明に耳を傾けた。参加者からは「来年の入学を見据えて日本語学校を探したい」「金銭負担が大きいから奨学金が充実した大学の情報がほしい」など、さまざまな日本留学での要望が聞かれた。

■留学事情を探る
 インドネシア人留学生数がゼロという大学もあり、今回の出展は今後、ASEAN地域からの留学生受け入れに向け、インドネシアの教育事情を探る狙いもある。阪南大学(大阪府松原市)の留学受け入れ担当者は「インドネシア人の留学意識を調査し、今後の大学の受け入れ体制に反映させる。英語の授業を整備するなど課題は多い」と話す。
 個別面談のほか、スクリーンや椅子を用意した教室のようなスペースを6カ所設け、各学校が説明会を開くなど、学校関係者と来場者の接点を増やす工夫もみられた。
 中央ステージでは留学経験者が登壇。英語による履修カリキュラムで獲得した修士号や日本で探した奨学金、ハラル(ムスリムが摂取可能)の食事、鉄道を使った安価な日本旅行など、多岐にわたる体験談を語り、参加者との熱心な質疑応答が続いた。

■企業の参加必須
 フェアの運営を手掛けるオカトス・ヒーロー・リアル・マンディリの鍋島祥郎総支配人によると、まず大阪の情報に触れてもらおうと、送迎バス計45台を首都圏や西ジャワ州バンドンの大学・高校などに送り、留学や就職に関心のある生徒・学生を招待したという。
 学校紹介だけに終始するような留学フェアでは、深まる日イ関係の中で、さまざまなニーズに応える人材を育成する機会づくりにはならないとの考えから、インドネシア人の雇用を考える企業にも参加を呼びかけてきた。
 昨年10月、インドネシアで販売を開始したせっけん製造大手、牛乳石鹸共進(同城東区)は日本の本社枠でインドネシア人を採用する予定だ。海外事業部の田口哲夫副部長は「インドネシア市場拡大のためには人材育成が必要だ。大阪で働きながら日本語も学べるような環境整備を進めたい」と意気込んだ。(小塩航大、写真も)

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