政府対策、後手 大豆・牛肉価格下がらず 輸入倍増制度変更も

 大豆価格は政府の対策が実らず高止まり、牛肉価格は輸入制度変更後の手続きの遅れで再び上昇している。食品価格高騰は国民生活に直結するだけに政府は対策を講じてきたが、事態は収拾できず、後手に回った。
 主要輸入先の米国の不作と対ドルでのルピア安が相まって国内大豆価格は7月比で30%上昇。現在1キロ当たり1万ルピア前後で取引されている。
 商業省は10日、価格抑制のため大豆輸入業者と豆腐・テンペの生産組合との交渉を仲介し、5業者が大豆1万1900トンを1カ月間、キロ8490ルピアで取引することで合意。しかし、ジャカルタの1カ月の消費量13万2千トンの15%足らずで、地方にも供給されるため、値段が大きく下がるまでには至っていない。
 テンペ・タフ生産者組合のスヤント事務局長は「他の22の輸入業者も特別価格での販売をしてほしい」と訴えており、シャリフディン・ハサン協同組合・中小企業担当国務相は合意価格での販売を別の輸入業者にも働き掛けていく方針を示した。
 商業省は13日、供給量を増やすため12月までの輸入量を58万トンから110万トンに倍増させたと明らかにした。また輸入先についても、米国への一極集中からインド、ブラジル、ミャンマーなどへの分散を模索している。

■許可発行に遅れ
 牛肉価格はレバラン(断食月明け大祭)以降に下がり始めていたが、輸入制度の変更後、関連省庁の対応が遅れ、再び上昇に転じた。
 価格高止まりを受けて政府は3日、これまでの輸入量割当制から基準価格制に変更。基準を1キロ7万6千ルピアとし、それを上回れば輸入を解禁、下回れば禁止する制度だ。
 商業省によると13日時点で全国の1キロ当たりの牛肉価格は9万2660ルピアで、政府が適正としてきた7万5千ルピアより23%上回るが、制度変更後、まだ業者に輸出許可が出ていない。
 許可発行が遅れている理由について、ギタ・ウィルヤワン商業相は13日、「農業省からの勧告待ち」と話した。勧告を受ければすぐに輸入を解禁する意向を示している。(堀之内健史)

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