闘争民主党支持伸ばす ジョコウィ人気効果 コンパス総選挙世論調査 メガ長女「出馬、自党から」

 インドネシアの有力日刊紙コンパスが、27日付で来年4月の総選挙に関する世論調査を発表した。国会第3党の闘争民主党(PDIP)が政党支持率を昨年12月の前回調査から10.3%と大幅に伸ばし23.6%でトップに立った。PDIP所属のジョコウィ知事(ジャカルタ特別州)の出馬を後押しする形だ。 
 26日付の同紙はジョコウィ知事が大統領選レースを独走する世論調査を発表。2日連続で一面トップを使い、PDIPの優勢を伝え、「ジョコウィ大統領」キャンペーンの様相を見せている。
 国会第3党の野党PDIPは、スハルト政権崩壊後の99年総選挙で得票率33%を獲得し第1党になり、01〜04年にメガワティ党首が大統領を務めた。だが、政権運営で汚職、内紛などの問題が噴出し、ユドヨノ政権誕生後は下野していた。
 コンパス紙の取材に対し、PDIP総選挙対策本部のトゥバグゥス・ハサヌディン副本部長は、最近の世論調査でPDIPの支持率が上昇しているとし、集票マシーンが機能していることに加え、大統領候補支持率32.5%を記録したジョコウィ知事との相関関係があるとの見方を示した。
 コンパス紙の調査をめぐり、政界は敏感に反応した。メガワティ党首の長女プアン・マハラニ同党国会会派代表は27日、地元メディアに対し、「もしジョコウィが出馬するならば、PDIPのメカニズムを通じて行わなくてはならない」と、ジョコウィ氏を取り込もうとする他党をけん制した。ネットメディアでは「いつジョコウィが出馬宣言するのか」とあおる、前のめりな報道も飛び交った。
 ジョコウィ知事とのペアが取り沙汰されるユスフ・カラ前副大統領(ゴルカル党)は27日、コンパスコムに対し、「国家と市民のためになるならば、準備はできている」と話した。ゴルカル党はアブリザル・バクリー党首を大統領候補に決めている。ゴルカル党の派閥領袖のカラ氏が党を割ってユドヨノ大統領と組んだ04年大統領選の再来の可能性がある。
 3位のグリンドラ党は13.6%で2位(16.0%)のゴルカル党に迫る勢い。同党が担ぐプラボウォ・スビアント元陸軍戦略予備軍司令官の出馬環境が改善した。08年2月に結党した国会第8党の小党にとって、国会議席20%の政党連合の推薦を要する立候補要件が障害だったが、着実に前進した。
 レフォルマシ(改革)以降に成長した政党の苦境も明らかになった。国民信託党(PAN)の支持率は2.5%、イスラム保守の福祉正義党(PKS)は2.2%で、得票率3.5%以下の場合、国会議席が割り当てられない規定が適用される可能性が出てきた。
 無回答は36.3%から13.4%に低下。調査は5月30日〜6月14日、全国33州の無作為抽出の17歳以上1400人から、対面形式で「今総選挙があれば、どの政党に投票しますか」との問いに対して回答を得た。(吉田拓史)

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