日本ファンに観光アピール 大相撲会場でトラベルフェア

 大相撲ジャカルタ巡業があった中央ジャカルタ・イストラ・スナヤン屋内競技場で24、25の両日、日本政府観光局(JNTO)の「ジャパン・トラベルフェア」が開かれ、日本の自治体や旅行代理店など13団体が日本観光を宣伝した。
  「サイクリングとアニメを町おこしに観光促進」を目指す埼玉県飯能市はインドネシアでも自転車の利用者が増えていること、日本アニメに興味を持つ若者に着目。「年々、市の人口が減少傾向にある中、子育てと観光で人口を増やしていきたい」と、飯能市シティープロモーション政策顧問の岩崎和行さんは語る。同市を舞台にしたアニメ「ヤマノススメ」が日本の若者に注目され、舞台となった街を巡る「聖地巡礼」がアニメファンの間で流行している。岩崎さんは「インドネシアの日本アニメファンがアニメをきっかけに飯能に観光に来てほしい」と話した。
■将来見据え
 長野県はアジア圏のさらなる訪日旅行者誘致を目指す。県から出向している自治体国際化協会シンガポール事務所の齋藤一真さんは「中間層には団体旅行、富裕層には要望に応じたパックツアーを考えている」と説明。
 諏訪市に本社を構えるセイコーエプソンがインドネシアに生産拠点を置いており、ものづくりでインドネシアとの結びつきは深い。齋藤さんは「将来を見据えて、今からインドネシアの人々に長野県を宣伝し、知名度の向上を図りたい」としている。
■直行便を契機に
 今年11月、関西国際空港にインドネシアのガルーダ航空の直行便が就航する。「直行便によりインドネシアの観光客が大阪に足を運んでくれることを期待している」と話すのは大阪観光局東アジア地区担当の大川達也シニア・ディレクター。
 来年にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンにハリーポッターの新たなテーマパークができる。インドネシアの若年層を視野に、今までの年間900万人の集客数から、外国人観光客を加え1100万人の集客を見込んでいる。
 また再開発したショッピングモールで観光促進を図る。今年4月に営業を開始したグランフロント大阪、来春オープン予定の「あべのハルカス」をメインに富裕層を取り込むつもりだ。大川さんは「ムスリムの人々に配慮し、快適な旅行をしてもらうための体制を整えたい。大阪とインドネシアの共通点は、人懐っこいところ。インドネシア人のみなさんは大阪を気に入ってくれると思う」と話した。
■オール九州で観光PR
 九州は各県が力を結集して観光をPR。九州観光推進機構海外誘致推進部の河野哲郎部長は「中国からの観光客が冷え込んでいる今、ASEAN諸国に力を入れている」と話す。大分県の別府温泉や熊本県のご当地キャラクターのくまもん、鹿児島県の桜島や阿蘇山などの火山などがあり「九州の情報を一つにすることで観光客へのインパクトを強めている」と説明。「1回では足りないくらい九州には観光資源がある。総合力で勝負したい」と意気込んだ。
■まずは知ってもらう
 北海道旭川市は、加盟しているJTB旅館ホテル連盟道北支部の美瑛や上川、富良野などの観光振興も担う。「地域が一つにまとまって宣伝し、知名度アップにつなげたい」と経済観光部観光課の清水高志主査は語る。旭川には旭山動物園や旭川ラーメン、上川には層雲峡温泉や大雪山などの観光資源がある。
 清水さんは「札幌や函館は海外旅行者には認知されている。旭川はこれから。まずは知ってもらうことから始まる」と述べ、3年計画でインドネシア人の観光客増加を図る方針だ。
■閑散とした時間帯も
 イストラ・スナヤンの建物内に配置された会場では、大相撲ジャカルタ巡業の観戦者以外でも無料で入場できたが、24日、ブディオノ副大統領の来場に合わせ、フェア会場につながる入り口が閉鎖されるなどのハプニングもあった。
 また、出展ブースのスタンプを集め、日本への往復航空券が当たるカードを配るなどして周知を図ったが、会場への案内も不足しており、閑散とした時間帯が目立った。(山本康行)

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