ルピア1万1000台に 製造業への影響懸念も 大統領がきょう対策発表

 対ドルルピア相場でのルピア安が止まらない。輸入企業の月末のドル決済増加や、内外の先行きに不透明感が強いことを背景に、22日の銀行間取引は1ドル1万1200〜1万1300ルピアとなり、1万1000ルピア台で推移。ユドヨノ大統領は23日、投資促進と経常赤字対策を主眼とした経済政策を発表する予定だが、輸出を伸ばすのが難しい。輸入抑制を進めれば、製造業に打撃を与えかねない。
 ユドヨノ大統領は21日、世界経済の回復のペースが遅く、輸出低迷が続く中で「われわれは成長し続けるために直接投資を増やす必要がある」と述べ、投資促進政策パッケージを打ち出す方針を表明した。ルピア相場、国債価格、株価の下落については、直接に言及しなかった。
 ユドヨノ大統領の発言を受け、市場では経済対策への予想が飛び交っているが、現状で市場が好感するような政策を打ち出すのは難しく、発表と同時に売りが進むという悲観的な見方が大勢だ。
 経常赤字削減に向け、特定品目への輸入関税を導入するとの予想も出ている。しかし、現在のルピア安ですでに原料などの輸入コストがかさんでいる企業が多い中、対象品目次第では製造業に追い打ちをかけかねない。
 日系自動車メーカー幹部は「部品の現地調達率が高いメーカーは影響が比較的軽微で済むが全体的には輸入コストの増加は死活問題。足下の消費者の購買意欲は衰えていないが、今年末にかけてじわじわと影響が出てくる」と分析。今年の自動車販売台数については昨年並みの110万台の水準に落ち着くと予測した。
 中銀が公表する銀行間取引の参照レートの「ジャカルタ・インターバンク・スポット・ドル・レート」(JISDOR)は22日に1ドル1万795ルピアを記録。週初19日の1万451ルピアから344ルピア下落した。
 市場関係者は「1万700ルピア台に入ってからJISDORが市場の実態と乖離し始めた。外貨準備高の減少など好材料がない中では、実質レートが1ドル1万2000ルピア台に突入することも十分に考えられる」との見方を示した。 (赤井俊文)

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