団地確保が課題 遠隔地移転で失業も

 プルイット貯水池の東岸には世帯登録者だけで少なくとも1万7千世帯が住んでいる。ジャカルタ特別州は公営住宅(団地)を建設し、移転先を立ち退きの前に確保する方針。団地の賃貸料は所得に配慮して低く抑えられる見通しだ。
 州有地の上の「違法住宅」だが、住民は40年以上村落が存在したとして「建設権を持つも同様」と主張。一部の自営業者を除き、住民の大半は近くの港湾の低賃金労働者や、露天商などの低所得者だ。電気、水道代のみの負担で生活している場合も多い。
 州は貯水池脇に団地4棟400戸を建てたがすでに満室。州は5月末、貯水池付近の2カ所とスカルノハッタ空港付近の1カ所に「タワー型団地」を建設する計画を示し、大手デベロッパーと協力して進捗させている。ただ、3カ所の予定戸数は約3千戸に過ぎないため、全世帯の移転にはつながらない。
 公園ができた部分の住民の一部は遠隔地に移転後、失業に直面。元プルイット住民はブカシ県境の北ジャカルタ・マルンダ団地で、当初付近の工業団地で3カ月間の短期雇いの職を得たが、いまは失業に苦しむ。州中心部から遠く周辺に仕事がなく、交通が未整備な土地のためだ。
 5月には移転先の有無をめぐって、州と住民が衝突。住民と人権団体らが「人権侵害」と州を批判した。住民に配慮した移転が求められている。(吉田拓史)

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