「北海道ブーム作る」 インドネシアから観光客を 道央部会が単独売り込み

 北海道観光振興機構の道央地域部会は10日、インドネシアの旅行代理店を招き、北海道観光セミナーをジャカルタで開催した。マレーシアやシンガポールで北海道観光がブームとなる中、インドネシアの人口規模や経済成長に注目し、継続的な売り込みを通じて富裕層を中心とした観光客取り込みが将来的に可能だと判断。さらに、直行便就航などのアクセス向上が進めば、道央観光を支える巨大市場になると大きな期待を寄せている。都道府県内の地域部会が単独で観光セミナーを開催するのは珍しい。(岡坂泰寛、写真も)

 2011年度に北海道を訪れた外国人は56万9700人で、そのうち8割強がアジアからの観光客。台湾と中国、韓国、香港で全体の約4分の3を占めているが、政治的問題などの影響を受けやすい。一方、シンガポールやマレーシアからの観光客の伸びがここ数年目立っており、タイ国際航空は10月下旬―来年3月までバンコクから札幌への直行便を運航することを決めた。
 日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数の推計値によると、訪日インドネシア人は今年上半期に前年比79.3%増の4万3500人を記録するなど増加傾向。同部会は道央への引き込みに期待を寄せる。北海道経済部観光局は、インドネシアからの北海道訪問客数を把握しておらず、今後の課題となっている。
 訪問団の若狭幸司団長(そうべつ観光協会副会長)は「インドネシアでもブームを作りたい」とセミナーの冒頭で強調。「メッカの方向やハラル(イスラムの教義に沿ったもの)の表記を増やしていきたい」と語り、ムスリムの受け入れ体制を強化していくことを強調した。
 現在、インドネシアの地場系旅行代理店でも冬期間を中心に富裕層向けツアーが企画されている。セミナーに参加した旅行代理店ファヤツアーのイェニ・チャン旅行運営担当によると、十数年前から北海道観光は一部の富裕層の間で人気が高まっており、「連結性が高まれば、北海道ツアーはドル箱企画になる可能性がある」と話す。一方で「雪や温泉以外の情報は把握していなかった」と語った。
 道央は北海道の空の窓口となっている新千歳空港を含む地域で、空港から1―2時間圏内に多数の観光地を有する。セミナーでは、四季ごとに変わる自然の情景や日本有数の温泉郷である登別温泉、アイヌ民族の伝統、新鮮な食材、有珠山観光などを写真や動画を交えて紹介した。
 セミナーは登別・洞爺広域観光圏協議会との共催で、現地の旅行代理店担当者ら約20人が参加した。

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