国内初のペニシリン原薬製造へ 工場新設・拡張で式典  メイジ・インドネシア

 明治ホールディングス傘下のMeiji Seikaファルマ社現地法人で、医薬品の製造販売、輸出のメイジ・インドネシア・ファーマシューティカル社(中里明義社長)は二十八日、中央ジャカルタのホテル・ニッコーで、東ジャワ州パスルアン県パンギルにある原薬製造棟と製剤棟拡張の竣工式を行った。二十七日にはパンギルでも式典を開催した。
 二十八日の式典にはアリ・グフロン・ムクティ保健副大臣や鹿取克章・駐インドネシア日本大使、明治ホールディングスの佐藤尚忠社長、Meiji Seikaファルマの松尾正彦社長のほか、医療関係の取引先企業など百六十人が出席した。
 工場新設・拡張の投資額は約四十億円。約十ヘクタールの敷地内に建物面積四千平方メートルを増設した。新工場は来年一月の稼動に向け、最終調整を進めているという。
 今回の工場新設後に予定しているペニシリン原薬製造は、インドネシア国内で初。また、工場拡張により製造ラインを増設し、これまでの二倍に引き上げることで、これまでに稼動していたペニシリン製剤製造棟であるベータラクタム2で年間一億千四百万カプセルと四億五千六百万タブレット、ベータラクタム3で年間千五百四十四万バイアルの無菌注射剤の生産が可能となる。ほぼ一〇〇%が日本に向けて輸出される。
 明治ホールディングスのインドネシア事業では一九七四年、メイジ・インドネシア・ファーマシューティカル社の前身となるメイジ・インドネシア社が設立され、医薬品や食品の製造・販売を行っている。式典で佐藤社長は「『医食同源』の言葉通り、おいしさ、楽しさを追求し、インドネシア国内の人々の健康のため、今後も精進していきたい」と抱負を語った。
 メイジ・インドネシア・ファーマシューティカル社の従業員は約八百二十人。中里社長は「売上高は四十七億円で日本向けが三十億円、インドネシア国内が十七億円。今年は八ー九%増の成長率。インドネシアの製薬市場は毎年一〇%の伸びがあり、来年は一〇%以上を目指す」と語った。
 ペニシリン原薬の製造は、インドネシアのほかには日本の岐阜工場で生産を行っているが、「今後はペニシリンの生産はインドネシアに移し、国内と国外で生産の品目を分けていく」計画という。
 インドネシアでの生産を行う理由については、水資源が豊富な上、製造コストが安価であることや、日本国内では生産のための土地確保が困難なことを挙げた。

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