「薬物犯はリハビリ施設へ」 過剰収容の刑務所 法務人権相

 刑務所の定員超過問題が深刻化している。今月北スマトラ州メダンで暴動が起きたタンジュン・グスタ刑務所で、受刑者の約半数が薬物犯だったため、法務人権省はリハビリ施設に薬物犯を移送し、過剰収容を緩和する暫定的措置を検討している。
 アミル・シャムスディン法務人権相は23日、全国の刑務所に収容されている受刑者11万7千人のうち薬物犯は5万6千人に上り、必ずしも刑務所に収容する必要はないとの見解を示した。
 受刑者は治療やリハビリが必要な麻薬使用者と重罪や死刑を宣告された密売者に分かれる。各地の刑務所では大部分が区別されずに収容されており、将来的には両者を分離する必要があるとした。
 リハビリは現在所管の国家麻薬委員会(BNN)だけでなく、法務省や保健省、社会省が連携し、各地の病院などの施設で実施する。アミル氏は「計画が実施されれば、刑務所の定員超過問題は解決に向かう」と話した。
 国家第3委員会(法律・地方自治・人権担当)のエファ・クスマ・スンダリ議員(闘争民主党)は「収容率が200%を超える状況では問題が起きて当然」と述べ、薬物犯がテロ犯などと区別されずに収容されている現状を問題視した。
 暴動が起きたタンジュン・グスタ刑務所は定員の約2倍半の受刑者2600人を収容し、このうち麻薬密売69人、麻薬使用1700人と薬物犯の割合が多かった。
 BNNによると、2011年時点で国内の麻薬常習者は380万〜420万人に上る。摘発強化で増加した受刑者に対処するため、法務人権省は03年、国内最大の東ジャカルタ・チピナン刑務所内に薬物犯専用刑務所を開設。その後、各地に同様の刑務所を設置しているが収容力は不十分で、薬物犯の多くは一般の刑務所に収容されているのが現状だ。
 現在、複数の一般刑務所で収容率が500%を超えており、中でも南カリマンタン州マルタプラとバンジャルマシン、リアウ州バガン・シアピアピ、ジャンビ州ジャンビの4カ所の刑務所では900%を超える。

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