スラウェシに経済特区 投資額53兆ルピアに パルとビトゥン

 政府は26日、北スラウェシ州ビトゥンと中部スラウェシ州パルに今年中に経済特区(KEK)を設ける方針を明らかにした。入居が決まっている企業の総投資額は53兆ルピアという。世界最大の島しょ国であるインドネシアで、政府は内外投資家にジャワ島外の投資を促しており、今回の特区設置では、スラウェシ(セレベス)海を囲み、フィリピンとの交易を促進するなどの狙いがある。地元メディアが報じた。
 ハッタ・ラジャサ経済担当調整相は、KEKの候補としてパル、ビトゥン、西ヌサトゥンガラ州マンダリカ、東カリマンタン州のマロイ・トランス・カリマンタン経済地区、南スマトラ州のタンジュン・アピアピの5カ所があったと説明。うち、パルとビトゥンは、特にインフラ整備が進んでいた点が経済特区に適切と判断した。パルとビトゥンのKEKは、マレーシアのジョホール・バルと中国の経済特区を参考にする方針という。
 ハッタ氏はパルのKEKを支援するため、入札の準備をしているビトゥン〜マナド間の高速道路を今年中に着工する考えを示した。パルのKEKは2千ヘクタールで、漁業と鉱業に適していると強調した。
 経済担当調整相事務所のルキー・エコ・インフラ・地方担当次官は、パルのKEKについて、6投資家がすでに進出準備をしていると明らかにした。中国国営鉄鋼の中国中鋼集団、スウェーデンの自動車大手ボルボなどで、投資額は計40兆ルピア。ビトゥンでは、米系製薬会社や地場系大手財閥のリッポーグループ、CTコープなどが計13兆ルピアの投資の意向を示している。

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