「金の卵」ジョコウィ争奪戦 プラボウォ、ハッタ、バクリー 来年の大統領選

 来年7月の大統領選挙に向け、複数の政党が各種世論調査で首位のジョコウィ・ジャカルタ特別州知事を取り込もうとする動きが活発化している。出身政党の闘争民主党(PDIP)以外の政党幹部がジョコウィ氏と会合を開くなど、「金の卵」の取り合いとの憶測を呼んでいる。
 グリンドラ党はこのほど、プラボウォ・スビアント同党最高顧問会議議長はジョコウィ氏としばしば夕食をともにすると明らかにした。話題は「ジャカルタ州政」のほか、大統領選に及ぶこともあるという。アフマッド・ムザニ幹事長は「ジョコウィ氏がプラボウォ氏の副大統領候補になる可能性は十分に開かれている」と語る。
 プラボウォ氏は昨年のジャカルタ特別州知事選で、ジョコウィ(PDIP)、アホック(グリンドラ党)正副知事の選挙資金を提供したとされる。最近は「中部ジャワ州ソロからジャカルタにジョコウィを連れてきたのは私だ」と立役者であることを強調していた。
 一方でジョコウィ氏はこのほど、中央ジャカルタ・メンテンのメガワティ元大統領(PDIP党首)の自宅で、国民信託党(PAN)党首のハッタ・ラジャサ経済担当調整相とも会談した。ハッタ氏はプラボウォ氏とも接触し、ジョコウィ氏の出馬をめぐる話し合いを進めているとされる。
 ゴルカル党もスマトラ島出身のアブリザル・バクリー党首のペアにジャワ島出身者を検討しており、中部ジャワ出身のジョコウィ氏を副大統領候補の1人に想定しているとされる。
 各世論調査の大統領候補支持率では2位のプラボウォ氏と3位のバクリー氏が首位のジョコウィ氏を追いかけている格好。2位と3位はジョコウィ氏を副大統領候補に取り込めば勝算が上がる。
 しかし、いずれの場合も大統領選に先駆けて開かれる来年4月の総選挙の結果を基に、ジョコウィ氏の所属政党のPDIPが決定する。プアン・マハラニ同党会派代表は「党の大統領候補の決定権は(母の)メガワティ党首にある」としている。
 今年66歳になり、6月に夫を亡くしたメガワティ党首はこれまで2度大統領選に出馬し、いずれもユドヨノ大統領に敗北した。来年の大統領選出馬への意向は明らかにしていないが、若手に譲るとの見方も強まっている。
 メガワティ氏は長女のプアン氏ら党幹部の世代交代を進め、地方首長選にも若手を擁立。昨年以降の各地の州知事選では、ジャカルタのジョコウィ氏をはじめ、中部ジャワ(当選)、西ジャワ(落選)、北スマトラ(同)のいずれも40代〜50歳前後の候補を立てており、大統領候補にも若手を起用する可能性がある。(吉田拓史)

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