FB公式アカウント設置 2日でフォロワー20万人 ツイッターは270万人に ユドヨノ大統領
ユドヨノ大統領は5日、国民との積極的な意見交換を図るとして、フェイスブック(FB)の公式アカウント開設を発表した。フォロワー数は2日間で20万人を超え、注目度は上々だ。来年の総選挙を前に、SNSを広報活動の有効な手段として利用する政党や政治家も増え、前党首ら複数幹部の汚職騒動で支持率が低迷する民主党の広報に役立てようとの思惑も見え隠れする。
ユドヨノ大統領は、フェイスブックと併せてSNSのグーグルプラスや動画投稿サイトのユーチューブにもアカウントを開設したと発表した。
インドネシアではツイッターのアカウント数が世界6位、フェイスブックで同世界2位と、SNSの普及率が極めて高い。4月13日に公式アカウントを設置し、フォロワー数が270万を超えたツイッターに加えて、さらなるSNSの利用に意気込んでいる。
7日夜にフォロワー数はすでに21万人に達した。合計17回の投稿のうち、大統領自ら「*SBY*」の署名を付けて発信したのはアニ夫人の誕生日を祝うメッセージなど2回。他には、訪イした潘基文(バン・キムン)国連事務総長を案内する様子、2009年のパダン沖地震後の被災地慰問の写真などを、大統領府広報担当が投稿している。
病を押して子どもたちに教える西ジャワ州スメダンの教師を大統領夫妻が見舞った様子の動画をユーチューブに投稿し、リンクを張ったFBの記事には現時点で最高の1万1780の「いいね!」が付いた。
「強い国家とは、変化に対応できる国家だ」とユドヨノ大統領の言葉を引用した広報担当による書き込みには約5200人が「いいね!」を付け、1200人以上がコメントを寄せた。「これからも頑張って」と大統領を応援するメッセージや、「ユドヨノ大統領の任期中には多くの変化があったけれど、裕福な人々のためのものばかり。貧しい人々はいつも悲しんできた。あなたは大統領に適任ではない」といった痛烈な批判もあり、市民が自由な意見発信を続けている。
アニ夫人や2人の息子夫妻、孫ら家族とくつろぐ様子、音楽アルバムも多数リリースしているユドヨノ氏自作の詩などもあり、親近感が沸くような工夫が凝らされている。民主党のマックス・ソパチュア副党首は「大統領と国民の距離感を縮め、直接政策への反応を知るのが目的」とし、民主党の広報活動ではないと説明した。
一連の汚職事件で民主党の政党支持率は、今年初頭には4〜7%と低迷したが、補助金付き燃料値上げに絡む現金直接給付など貧困対策で再浮上すると見込まれている。FB上でこれまでの成果を示すことで、イメージ改善を図っているとの見方も出ている。(宮平麻里子)