政治の季節、国内要因を注視 経済・投資環境の変化展望 JACの松井氏が講演

 ビジネス支援業務を行うJACビジネスセンターの松井和久シニアアドバイザーは3日、中央ジャカルタの同社事務所で、来年の総選挙・大統領選を前にした政治動向が引き起こすインドネシア経済や投資環境への変化について講演した。今後の経済成長について、政府内には楽観的な見方が根強いが「国内要因の改善を注視し、悪くなる可能性も考慮する必要がある」と指摘した。

 頻発する汚職や内紛への不信感から、有権者の間では政党よりも人物を重視する傾向が強まっていると分析。出馬表明すらしていないが庶民派知事として評価の高いジャカルタ特別州のジョコウィ知事が、選挙準備を着々と進める他の有力候補者を大きく引き離している各種世論調査に触れ、「出馬すれば間違いなくジョコウィ氏が勝つ。今後、一番良いタイミングで立候補を表明する」と予想した。
 一方、政治が及ぼす経済への影響については「誰が大統領になっても経済政策が大きく変わる可能性はほどんとない」と展望した。ただ、経済成長で自信を深めていることと、域内経済を統合するASEAN(東南アジア諸国連合)経済共同体発足が15年に迫っていることへの焦りがあり、「(保護主義的政策を取るなど)外資に対して厳しくあたる状況が続く可能性がある」と警戒。燃料値上げの影響もあり、最低賃金も昨年並みに上がる可能性があるとした。
 燃料値上げやインフラ整備の遅延によるコスト上昇や、選挙を前に政治が停滞し産業・開発政策を戦略的に打ち出せなくなることが見込まれ、「国内要因からは成長の復活が見えにくい」と指摘。世界経済が回復に向かい、政府の楽観的な見方は輸出増加など外部要因を根拠にしており、「グローバル経済が回復しなければ政府のシナリオは全ておじゃんになる」と警鐘を鳴らした。(道下健弘、写真も)

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